勝負根性が光ったデザインズオンローマ=香港クイーンエリザベス2世カップ回顧

JRA-VAN

デザインズオンローマが重賞3連勝

重賞3連勝を飾り、世界への舞台に躍り出たデザインズオンローマ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 G1香港クイーンエリザベス2世カップが27日、香港・シャティン競馬場で行われ、1番人気に推されたデザインズオンローマ(セン4、父ホーリーローマンエンペラー、J.ムーア厩舎)が、昨年の覇者で同厩舎のミリタリーアタックをクビ差退けて優勝。重賞3連勝を飾って、世界の桧舞台に躍り出た。2馬身1/4差の3着にG1ドバイデューティフリー2着のヴェルシンゲトリクス。日本から挑戦したエピファネイアは勝ち馬から4馬身1/4差の4着。アンコイルドは早々に力尽き、最下位10着でレースを終えた。

 レースは4頭出しのJ.ムーア厩舎が用意したセイムワールドがペースメーカーとなり、1000mを62秒8で通過。勝ったデザインズオンローマは定位置の後方8番手からレースを進め、3コーナー手前から外を回って進出。直線に入ったところでエピファネイアを右斜め前に見る4番手に上がった。直線は内を突いて一歩早く抜け出したミリタリーアタックと馬体を併せて一騎打ち。2歳年長の年度代表馬をねじ伏せた。

海外G1へ 世界への期待が広がる

現地でも期待が懸かっていたエピファネイアだが、4着に終わった 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 レースぶりは前走の香港ダービーとほぼ同じだったが、素晴らしかったのは、その勝負根性。正面からの映像を見ると、2頭が馬場中央でぶつかり合っている。内から外に斜行したミリタリーアタックによって、はじき飛ばされたデザインズオンローマは大きな不利を跳ね返しての勝利。全馬126ポンド(約57キロ)の定量戦で、この競馬を見せたデザインズオンローマは「本物」だ。

 その年の香港ダービー馬がこのレースを制すのは2005年のヴェンジェンスオブレイン、11年のアンビシャスドラゴンに続き、3頭目となる。欧州時代には2歳G1でのちに英2000ギニー馬となるドーンアプローチの2着した実績のあるデザインズオンローマだが、末脚の凄みは一戦ごとに増している。今後は海外G1への挑戦を含め、選択肢が広がった。

 2番人気と現地でも期待されたエピファネイアはスローで折り合いに苦しむ場面も見られ、直線ではフットワークを乱した。初の国外遠征や香港の芝とのマッチングも走りに影響したか。アンコイルドは今回は格の違いが表れてしまった。国内で力を蓄えて再挑戦だ。

(文・奥野庸介)
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