大学進学の桐生祥秀に新たな育成プラン 東京五輪に向け少しずつ進化する4年間に
4月の織田記念で9秒台を狙う
東洋大で練習を公開した桐生。目標は東京五輪100メートルでの決勝進出だ 【写真は共同】
昨年の10秒01があまりに鮮烈で、一気に上り詰めたように思われがちだが、桐生は中学時代から着実に成長を続けてきた。かつて、1991年世界選手権東京大会、92年バルセロナ五輪で400メートルのファイナリストになった高野進に代表されるように、世界大会で結果を残すには、決勝を見据えてラウンドを確実に通過する強さが求められる。この1年を振り返ると、桐生は昨年6月のダイヤモンドリーグで最下位と辛酸をなめたが、8月の世界選手権で惜しくも予選で敗退するも、まずまずの走りを見せた。そして今年3月の世界室内では予選を突破し、少しずつ進化してきた。ラウンドを1つ超えた経験は、確実に次につながる。
桐生はまだ18歳。20年に向けては、見たこと、経験したこと、すべてが財産になる。始まったばかりの大学生活に、「人間としても大きくなれる4年間に」と希望に胸を膨らませている。