町田「誇りに」羽生「自分が許せない」=世界フィギュア男子SPトップ3会見
町田が「ベスト」と自画自賛した演技は98点超えの高得点をマーク、SP首位に立った 【坂本清】
男子ショートプログラムでは、ソチ五輪5位の町田樹(関西大学)が「ベストの結果を出すことができた」というパーフェクトの演技を披露し、自己ベスト98.21点で首位発進。ソチ五輪金メダルの羽生結弦(ANA)は冒頭の4回転で転倒し91.24点で3位スタートとなった。一方、高橋大輔(関西大学大学院)の欠場により急きょ出場となった小塚崇彦(トヨタ自動車)はシーズンベスト85.54点で6位につけた。男子フリーは28日に行われる。
以下は、町田、羽生、SP2位ハビエル・フェルナンデス(スペイン)のトップ3会見でのコメント。
町田「自分史上最高のエデンの東を見せることができた」
「自分を誇りに思う」と町田 【坂本清】
町田 今日はベストの結果を出すことができて非常にうれしく思うと同時に、自分を誇りに思っています。特に観客の皆様に自分史上最高のエデンの東を見せることができてうれしく思っています。得点はびっくりしました。このショートを作ってくれたフィリップ先生がこちらにいますが、振付師であると同時にアートディレクターと呼びたいです。彼のおかげでこのプログラムを作ることができました。
フェルナンデス 演技に関しては非常にうれしく思っています。ベストというものではなかったと思いますが、五輪後にトレーニングに戻ることがいかにつらいかが分かりました。その中で自分のベストを尽くして練習に取り組んだことがこの成果を生んだと思います。コーチも100パーセント練習で出し尽くすように後押ししてくれたので、その努力の先に報いがあるんだなと思いました。フリーも良い演技をして、私だけではなく、日々私を支えてくれるコーチや、ファンの皆さん、スケートを愛する方々のために、滑りたいと思っています。
羽生 今日に関してはまったくハッピーとは言えなく、良い演技ではなかったと思います。自分自身に対しても怒りを感じています。しかしベストを尽くして明後日は自分のベストを出す。そしてハッピーになりたいと思っています。
羽生「3位。今ここにいる自分が許せない」
3位・羽生は「自分が許せない」 【坂本清】
町田 (ここまで英語で話していたが)すみません、英語はギブアップします(笑)。五輪では多くのことを学び、よく五輪のあとにアスリートは燃え尽きてしまうとか言われていますが、僕は帰ってきたその日からモチベーションが高くて、やる気が出ていました。ソチで見つけた反省点がいっぱいあったので、それをどうしたら改善できるかを日々考えつつ、自分に改善のノルマを課して、世界選手権のために力強く歩んできたつもりです。日々成長していくのが分かったし、五輪の僕と今の僕を比べても進化しているんじゃないかと思います。
フェルナンデス 多くの方々が、僕の五輪の成績を不満に思っているんじゃないかと思っていたようですが、そんなことはなくて僕はうれしかったんです。全力を尽くして結果がああいうものだったというだけです。トレーニングに戻ってからもモチベーションが高かったんですが、1週間くらい経ったあとに自分に自信がなくなってきて、何をどうすればいいかと分からない状態になってしまいました。ただコーチが「毎日の練習を100パーセントの力で臨むんだ」というふうに後押しをしてくれました。その後自分も練習を100パーセントやって、あきらめちゃいけないんだと思ってやってきて、今日はやってきて良かったなと思いました。
羽生 すみません、僕も英語で話すのあきらめます(笑)。五輪のフリーのあとは全然うれしくなかったので、一生懸命練習することはできたんですけど、実際こうやってミスをしてしまい、3位という順位にいます。今ここにいる自分が許せないので、明後日向けて過去よりも今をしっかりつかみとりたいと思います。
フェルナンデス「日本が一番会場も大きい。とにかくすごい」
フェルナンデス、余裕のジャンプで2位 【坂本清】
町田 日本ではフィギュアスケートはとてもポピュラーで、この会場が満員になるくらい人気があります。世界選手権初出場で、日本開催で、たくさんのオーディエンスの前で滑ることができて幸せでした。ショートでは僕の最後のステップの場面で、お客さんの感情が高ぶっていくのが僕も手に取るように分かったので、それが自分の背中を押してくれたし、最後まで美しく力強く踊れたと思います。日本のオーディエンスの皆様をはじめ、いつも僕を応援してくれる世界中の皆様に感謝したいです。
フェルナンデス 日本ではたくさんのお客さんが集まります。僕自身が体験した中では日本が一番会場も大きいのではないかと思います。とにかくすごいですよね。僕は2007年のシニアでの初めての世界選手権が日本だったんです。まったく今日と同じような状態で、怖いものでした(笑)。2万人近くお客さんがいる中で、15歳の少年が何をしたらいいのか。本当に怖いなと。ただこれだけこのスポーツを愛してくれる方がいるというのは素晴らしいことだとも思います。
羽生 2人がすべて言ってくれたので、僕は何を言ったらいいのか分からないですけど、とにかくこれだけの日本国民の方がフィギュアスケートを愛してくれているし、日本のスケーターだけでなく、世界のスケーターが集まるこの世界選手権という大会を見て、また新たにいろいろな国のスケーターや国を知ってくれるのは、いちスケーターとしてすごくうれしいなと思いました。僕の演技自体は良くなかったんですけど、多くのお客さんに見守られて、演技ができるのは幸せだなと思います。
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