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ジュビロ磐田、1年でのJ1復帰へ挑戦
シャムスカ、松井……再建を託された者

「ジュビロがいるべき場所に戻す」

1年でのJ1復帰を目指し、松井(右から2番目)ら多くの即戦力を獲得した磐田
1年でのJ1復帰を目指し、松井(右から2番目)ら多くの即戦力を獲得した磐田【写真は共同】

 昨年、まさかのJ2降格となった名門ジュビロ磐田が、J1復帰に向けスタートを切った。今季の新体制を発表した1月16日。ホーム・ヤマハスタジアム内の会見場に集まった100人近い報道陣を前に、ブラジル出身のシャムスカ新監督は「ジュビロがいるべき場所に戻すのが私の仕事。もちろん自信はある」と1年でのJ1復帰を誓った。


 新監督はかつて、スター選手不在の若い大分トリニータをJ1リーグ4位まで引き上げた名将で、2008年のナビスコカップでは九州勢初の優勝にも導いた。その手腕を高く評価したジュビロ磐田の高比良慶朗社長は、「チームの一体感を大切にしている。J1復帰を目指すジュビロにとって最適の監督だ」と名門復活を託した。白星が遠かった昨年に欠けていたのは、チームが一つになることだった。しかし、いったんバラバラになったチームは、最後まで一体感を取り戻せないまま降格の道をたどってしまった。その修正、復活を期待した人選だった。


 とはいえ、新指揮官決定までには紆余(うよ)曲折もあった。クラブは当初、昨年11月中の決定を見込んでいたが、有力候補者との話し合いは最終段階で物別れに終わる。その後も複数の候補者が浮上し、ようやく12月中旬に決定。日本での実績が十分にあり、J1復帰への道を任せられる逸材だと判断されたわけだ。

対話と明るさから生まれる一体感

 新監督は「チームはファミリー」とうたい、『対話』をキーワードに掲げた。選手やチームスタッフ、フロントが、連携をより密にしていくことをチーム作りのベースにした。そして楽しくサッカーをやること。その楽しさ、そして明るさこそが、好結果を生む要因になるという考え方だ。早速、今季の練習をスタートさせた1月20日から積極的な対話を心掛け、一緒に就任した2人のブラジル人コーチらとともに徐々に浸透させていった。すると、その効果はてきめんだった。


 MF山田大記は「みんなが問題点などをよく話すようになったし、ブラジル人スタッフの独特の明るさがチーム全体に伝わってきた」と短期間での変化を強調した。練習後のロッカールームからは笑い声が絶えず、ここ数年続いていたチームの暗いムードは一掃された。クラブ幹部も「練習中でも選手同士のコミュニケーションが密になり、例年以上に練習にも活気があるように見えた」と笑顔をのぞかせた。「練習や試合の苦しい場面でも、明るい雰囲気があれば乗り越えられると思う」と、DF駒野友一も新監督が目指す変革や方向性を歓迎した。さらに昨季までは厚い壁があったチームと報道陣との距離も一気に縮まり、クラブには早くも家族的な一体感が芽生え始めた。


 監督を支える重要なポジションに、クラブの最強時代を支えたレジェンドが復帰したことも一体感を強めている。強化部長には、昨季限りで現役を引退した元日本代表MF服部年宏が就任。コーチには服部とともに1996年アトランタ五輪で“マイアミの奇跡”を演じたクラブOBで、昨季までユース監督だった元日本代表DF鈴木秀人が就いた。古くからのクラブ関係者は「2人の加入で、クラブが以前のような活気を取り戻しつつあるようだ。サポーターからもOBの復帰を歓迎する声がたくさん届いている」と喜ぶ。期待の声に2人のOBも「以前のような強いジュビロを復活させる」とそろって頼もしい言葉を口にし、クラブは一つになってJ1復帰に向かう体制が整った。

望月文夫

1958年生まれ。ランニング、サッカー等の専門誌で編集記者。その後フリーとなり、陸上、サッカー、バレーボールを中心に専門誌等に執筆。

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