充実のパナソニック、王座奪還なるか トップリーグ・プレーオフ展望
東芝は「秘策」で勝負か?
強気の攻撃が光る東芝の新人スクラムハーフ小川 【写真は共同】
1日にパナソニックに挑む8季連続出場の東芝は、身体をぶつけ合うフォワード陣を軸に力勝負を仕掛けたい。チームカラーを意識してか、和田賢一監督も「フィジカルラグビーをする。接点を前に進める」と常々口にする。
発想豊かな新人スクラムハーフ小川高廣は「フォワードはどんどん前に出る。それを後ろからコントロールできるよう、どっちに攻めるか、どこで球を出すかという適切な指示を出したい」と意気込む。国内屈指の強力スクラムを先導するフッカー湯原祐希は「自分たちのルーティーンを崩さずに組む」と語る。指揮官の「接点を前に」という狙いを実現する術(すべ)を、各自が心得ているのだ。
隙間なき守備のベールを敷くパナソニックに対し、和田監督はそれまでしてこなかったある秘策を打ち出すかもしれない。「より、フィジカルに戦うために…」。メンバー発表と、その戦い方に注目が集まる。
「大砲」そろえる神戸製鋼
「(攻撃の形が)作られていない状況でもトライをしているので、そういう嗅覚があるのだと思います。また、チームでもシンプルなアタックの練習を繰り返し、全員がチャンスを作れるようになった。それも(フーリーのトライ量産の)要因です」
1月19日、地元でのセカンドステージ最終節では、38−36と打ち合いを制した。東芝を相手に、ボール争奪直後の速攻で得点を奪ったのだ。
シーズン途中からランの冴える正面健司副将をスタンドオフに据え攻撃力を高めた。フランカー前川鐘平、ナンバーエイトのマパカイトロ パスカ、センターのクレイグ・ウイングと、フーリーの他にも複数の突破役をそろえる。グラウンド中央に接点を作れば左右両方のユニットに大砲を配置し、球を持てば少ない手数でスコアできるのだ。やや不安定なセットプレーを改善し、サントリーに負けじとボール保持率を高めたい。
戦いの魅力を伝えるために
「もっとメディアに取り上げられれば」「現場ができることは最高の試合をすること」――。各チームの指導者4名が真っ直ぐな見解を述べた。
ラグビーを愛する人同士が当事者意識を高め、関係者にとっての一大イベントを質の高いエンターテインメントとして伝え広めるしかあるまい。
<了>