本田、トップ下で躍動し初ゴール チームに落ち着きを与え信頼を勝ち取る
前線のトライアングルが機能
そしてついに前半28分、前線のトライアングルが狙い通りに機能した。本田とロビーニョは、ペナルティーエリア内で細かくパスをつなぎ合い、その後に右サイドのアンドレア・ポーリへと展開。ポーリはゴール前でDFの背後を取ったパッツィーニへとクロスを送り、パッツィーニはこれをダイレクトボレー。息の合った連係から先制点を奪ったミランは、これで硬さがほぐれる。4分後には右サイドに開いたパッツィーニがクロスを放ち、ロビーニョがダイビングヘッド。2点目を奪った。
残るは本田である。2点のリードを築いた後、常にパス回しの中にいて試合展開を組み立てていたが、後半早々に自らもゴールを奪ったのだ。後半2分、リッカルド・モントリーボがペナルティーエリア外から強烈なシュートを放つ。これはGKに弾かれるが、ボールはゴール左に構えていた本田の前にこぼれる。本田はこれを逃さず、冷静かつ豪快に蹴り込んだ。
なお初ゴールを奪った直後にも、本田はビッグチャンスを演出している。ドリブルでじっくりとタメを作った後に、裏のスペースに走り込んだパッツィーニへ正確なパス。あわやアシストも付きそうな場面だったが、パッツィーニのシュートは大きく逸れてしまった。
必要なのはフィジカルコンディションの向上
もっとも交代する5分ぐらい前からはミスも増えており、コンディションはまだ上がり切っていないようにも見受けられた。試合後の記者会見でその辺りをタソッティ監督代行に質問したところ、「90分間プレーできるようになるまでにはもう少し時間が必要で、現在もコンディション回復の最中。その状態でプレーを引っ張るとけがにつながることも多い。その意味もあって今日は早めに交代させた」という返事が返ってきた。もちろん今後、本田の状態を判断するのはセードルフ監督ということになるが、フル出場で戦わせるにはあと2、3試合ほど時間が必要になるかもしれない。
しかしトップ下としての持ち味は、十分見せつけられたのではないだろうか。サッスオロ戦から4日しか経っていないが、この試合で見せたプレーは上々のインパクトを残した。フィジカルコンディションがさらに向上し、よりプレッシャーのキツくなるセリエAのリーグ戦でも当たりに対処できるようになれば、もっと素晴らしい活躍が期待できそうだ。
<了>