重要な2014年を迎えるバルセロナ=うわさされる痛みを伴うが必要な改革
オフを終えバルセロナでの戦いに戻る
アルゼンチンでリハビリを続けていたメッシがバルセロナへと戻ってきた。2014年はメッシにとって重要な時期となる 【写真:Shu Kitayama/アルゼンチンサッカー協会/AP/アフロ】
同じくロサリオでケガの治療に専念してきたリオネル・メッシも、シーズン後半戦を前にリハビリの最終段階に入った。同勝ち点で並ぶアトレティコ・マドリーとの首位決戦を迎える1月、チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦でマンチェスター・シティと対戦する2月はもちろん、すでに彼はキャリア最大の目標である6月のワールドカップ(W杯)をも視野に捉えている。
マルティーノもメッシも、自分たちが極めて重要な時期を迎えていることをよく理解している。リーガ・エスパニョーラとCL、そのいずれかでも失敗を犯せば、チームに激震が走る恐れがある。しかも今季のバルセロナは、近年見られなかった重要な変化がオフに生じる可能性も秘めている。
さまざまなうわさが絶えない
だがマルティーノはロセイが進めているプロジェクトの裏側に、いくつかの隠されたもくろみがあることを承知している。故にマルティーノの地元ロサリオでは、今季終了後に彼がバルセロナを退団するとのうわさが絶えない。すべてはトップシークレットとされているものの、来夏にはバルセロナと同等、もしくはそれ以上に重要な挑戦が彼を待っているとのうわさもある。
クラブの周辺では2020年までの契約更新が間近に迫っているとの情報をよく耳にするものの、メッシのバルセロナにおける未来も定かではなくなってきている。
今回の契約更新に際し、メッシの契約解除に必要な違約金は2億5000万ユーロ(約363億円)から2億9000万ユーロ(約421億円)へ釣り上げられるそうだが、わずか4000万ユーロ(約58億円)の増額に大きな意味はない。彼の獲得を夢見るビッグクラブのオーナーたちは、メッシ本人がオファーを受け入れ、バルセロナにも交渉の席に着く意思があるのならば、しかるべき金額を支払う準備があるからだ。
実際、フランス紙『ル・パリジャン』はパリ・サンジェルマンのオーナー、モハメド・アルサーニがアルゼンチンのスーパースター獲得に動くと繰り返し報じている。先述した4000万ユーロの違約金アップについても、同紙はバルセロナ、パリ・サンジェルマン両クラブをメッシの移籍報道から遠ざけるけん制に他ならないと主張している。
メッシとマルティーノに加え、同じくアルゼンチン出身のハビエル・マスチェラーノも近い将来にバルセロナを離れる可能性が出てきた。イタリアのメディアによれば、彼はリバプール時代に共にCLを制したラファ・ベニテスの誘いに応え、来季よりナポリのプロジェクトの一員となることを決意したという。
ロセイ会長のプロジェクトとは?
つまるところ、ロセイのプロジェクトとは何なのか?
彼の目的はスコラーリ監督とネイマールを主軸とした新チームの構築なのだろうか。もしくは今季がいかなる結果に終わろうとも、メッシとイニエスタを主軸とした現在のチームを継続するのだろうか。はたしてナイキ・ブラジル社と彼の関係は、このプロジェクトと何らかの関連性があるのだろうか。
これらの問いに対する答えを得るべく、今のところわれわれにできることは時間の経過を待つことしかない。
<了>
(翻訳:工藤拓)
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