吉田沙保里、栄光の55kg級に別れ=新たなモチベーション、伊調も新階級へ

布施鋼治
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最後の55kg級、リオ目指し53キロ級へ

全日本レスリング選手権55kg級で11度目の優勝を飾った吉田、来年からは53kg級に転向する 【写真は共同】

 栄光に包まれた階級に別れを告げる五輪金メダリストがいた。『天皇杯 平成25年度全日本レスリング選手権大会』(12月23日、国立代々木競技場第2体育館)の女子55kg級に出場した吉田沙保里(ALSOK)だ。

 この階級で吉田はアテネ、北京、ロンドンとオリンピック3連覇を果たしている。しかし、2016年度のリオデジャネイロオリンピックから55kg級は消滅。オリンピック以外の国際大会で55kg級は残るものの、五輪V4を目指す吉田は新たに設定された53kg級への変更を決めた。

10歳下の相手にあわやの場面も

決勝では10歳下の選手に苦戦する場面も見られた吉田(左)だが、最後は貫禄の勝利 【写真は共同】

 一回戦を見る限り、吉田の優勝は磐石のように思えた。タイミングを見計らい、力強く相手の懐に入るタックル一閃! その動きに迷いは感じられなかった。その後も吉田は横綱相撲を見せつける。二回戦をテクニカルフォールで決めると、続く準決勝ではわずか30秒でフォール勝ち。あまりにも見事な勝ちっぷりに、主審がマットを叩いた瞬間、観客席はどよめきに包まれた。
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著者プロフィール

1963年7月25日、札幌市出身。得意分野は格闘技。中でもアマチュアレスリング、ムエタイ(キックボクシング)、MMAへの造詣が深い。取材対象に対してはヒット・アンド・アウェイを繰り返す手法で、学生時代から執筆活動を続けている。Numberでは'90年代半ばからSCORE CARDを連載中。2008年7月に上梓した「吉田沙保里 119連勝の方程式」(新潮社)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」(集英社)、「格闘技絶対王者列伝」(宝島社)などがある。

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