駒大、箱根駅伝V&3冠達成の鍵は?=苦手5区より意識したい“つなぎ”の走り
常に有力候補に挙げられるも……
6年ぶりの箱根駅伝優勝と学生駅伝3冠を狙う駒澤大。レースの鍵となるのは!? 【スポーツナビ】
駒澤大は“平成の常勝軍団”と呼ばれ、97年の出雲から3大駅伝で通算20回の勝利を重ねてきたが、3冠はない。前出の98年度は、箱根で順天堂大に敗れて2位。後にマラソンの日本記録(当時)をマークする藤田敦史が、当時は準エース区間だった4区で区間新をマーク。往路で初優勝を果たすも、復路で逆転されて3冠を逃した。箱根では常に有力候補に挙げられながら、08年以降は勝っておらず、初の3冠と6年ぶりの箱根制覇は悲願だ。
出雲では、1区の中村匠吾から一度も首位を譲らず、89年の日本大、10年の早稲田大に続く史上3回目の完全優勝。全日本も中村が1区でリードを奪うと、2、3区で東洋大に先行されるも、4区の村山謙太が圧巻の区間新記録で逆転。5区以降も差を広げ、フィニッシュ時には2位東洋大と3分10秒もの大差がついていた。
今季の駒澤大に備わる崩れない強さ
今季は4年生の窪田忍、油布郁人、3年生の村山、中村の4本柱と、他の選手たちとの力の差が懸念されていた。だが大八木弘明監督は夏合宿前、「ひと夏を越えると、選手は大きく変わる。不安が自信になる瞬間が楽しみだし、一気に伸びます」と語っていた。そのとおり、全日本6区区間賞の2年生・馬場翔大、1年生で2つの駅伝を走った西山雄介、中谷圭佑ら中間層が成長した。
大八木監督は、主力の大半が卒業した今季を「育成の年」と位置付けた。得意とする全日本の勝利にはこだわりを持っていたが、「何が何でも3冠」ではなく、目の前の1戦1戦に全力で挑むスタンスだった。その無欲が、選手たちの心に良い意味での余裕をもたらした。難関とされる3冠は、案外こういう年に転がり込むのかもしれない。