ベルギー・クラシコで存在感を示す川島=より高いレベルを模索した1年を振り返る
堅守を誇る『スタンダールの門番』
監督から厚い信頼を得ている。しかし川島はより高みを目指すために何が必要か模索していた 【写真:アフロ】
スタンダールの試合運びについては、川島が「ここまで自分たちがボール動かして、主導権を握って進めるゲームはそんなに多くない」と振り返る通り、ゲームをコントロールできずに苦労しているが、それでもピンチを招きそうな場面での集中力は高く、危ないシーンでは相手に体を寄せてブロックするシーンが目立っている。
そんな中、堅守を誇る『スタンダールの門番』として活躍したのが川島だ。今季の川島は出場17試合で8失点。1試合辺り0.47失点という素晴らしい数字を残している。
「13年という括りで見れば、良い部分もあると思うし、良くない部分もあったと思う 。ただ首位にも立てているし、プレーでも自分らしさを出せていると思う。去年はスタンダールに移籍して、うまくいかなかったり、批判されたりしたこともあった。今年はベルギーだけじゃなくて日本代表も含めて、勝つために自分がどういうプレーをすれば良いのか、より質の高いプレーを模索していた年だった。それが形になってきている部分もあると思うし、まだまだ成長できるというきっかけをつかめた年だったのかなと思う」(川島)
EL出場でより高みが見えた
「そうですね(苦笑)。本当にやっぱりそこだと思う。代表のフィールド選手もチャンピオンズリーグ(CL)などヨーロッパの舞台で頑張っているし、日本人のGKもそういうレベルでやらなきゃいけない。ELに出たことで、より高みが見えた。ベルギーリーグで1位になればCLに出られるし、それが見えたのはプラスだったと思います」(川島)
イタリア・セリエAへのステップアップは、川島の目標のひとつ。しかし、スタンダールが来季、CL出場権を獲得すれば、川島にとってはチーム残留も魅力的なのではないか。
「まあ、その時に考えると思います(笑)。ただ、本当に先を見なければいけない。目先のCLに出ることが大切なのか、それとも、もっと大きいリーグに行って毎試合より高いレベルの中でやるのか。例えばCLに行っても勝てないんじゃ意味ない。それはやっぱりELに出て思った。勝つということが目標で、出るということが目標じゃない。なのでそこはその時に考えるとは思いますけど、出ることだけを目的にするのは違うのかなと思いますね」(川島)
ガイ・ルゾン監督からは「川島はベルギーリーグのベストキーパー」という厚い信頼を勝ち取っている。しかし、川島はこう語る。
「多少リスクを冒してしまった部分もあると思うし、そのリスクを冒す中で学んだこともある。あんまり、リスクを冒して良い年齢ではないのですが……。ただ単純にシュートを止めているだけじゃダメ。よりチームの中で自分自身が効果的じゃないといけない。より高いレベルでやるために何が必要かというのを、本当に模索した年だった」(川島)
その模索の先にあるGKの完成形を14年、ワールドカップイヤーの川島に期待したい。
<了>