東洋大・酒井監督「5区にエース投入も」=箱根駅伝へ意気込み語る
会見に臨む東洋大の酒井俊幸監督(左)と主将の設楽啓太 【CSPark】
以下、酒井監督、設楽啓のコメント。
酒井監督「本来の東洋大らしい走りを」
2年ぶりの王座奪還を狙う東洋大のエントリー選手16人 【CSPark】
ここまで学生駅伝5戦連続2位と、良い成績ではあるのですが、勝ち切れない戦いが続いています。設楽啓太・悠太兄弟という(1万メートルの自己ベスト)27分台ランナーも残り最後のレースになりますので、しっかり自分たちの力を出し切って、再び頂点をつかみにいきたいと思っています。
――この一年間を振り返って、優勝チームとの差を埋めるために取り組んできたことは?
前回大会は、柏原竜二(現富士通)に匹敵する上りの選手を養成できなかったので、平地でタイムを稼いでいこうと、序盤から田口雅也、設楽啓太・悠太兄弟の主力を投入していきました。ただ、(前回は強風という)自然環境に打ち勝つだけのスタミナと走力が伴っていなかったのかなと思います。結果、総合優勝を逃して、「何か変えていかなければいけない」と。そこで今年のチームは、まずは走力をしっかりもう一度作っていきました。
合宿も、例年と若干変えて、(トップチームである)Aチームをある程度メンバーを固定し、主力メンバーを選び抜いて戦っていく流れに変更しました。結果、1万メートルの自己記録の水準も、過去にない最高タイムになりました。(エントリー選手上位10人の平均タイムが)28分35秒は今年度の参加チームの中でもトップです。トラックのスピードという面だけであれば、強化の成功につながったのかなと思います。ただ、出雲駅伝、全日本大学駅伝と、本来の東洋大らしい「攻めながらも粘る」「つなぎ区間でも区間賞を取る」という走りができなかった。全日本より前に関しては、走力は上がったが、チーム力が上がっていなかったのだと思います。
「走力だけではないだろう」と、もう一度、学年ミーティングや全体ミーティングを繰り返し、箱根に向けて再度、結束力を高めて臨んでいこうとしています。12月に入り、これまでよりもチームがまとまった感が非常に表れてきました。遅れていた故障者も復帰し、チームとしては出雲、全日本よりも間違いなく良い傾向が表れていると思いますし、本来の東洋大らしい走りを箱根路ではできるのではないかという手応えをつかんでいます。
――柏原選手だけでなく、今年は市川孝徳選手(現トヨタ紡織)も卒業して、山の区間にメンバーがいない状況になりました。この5、6区をどのような区間と位置付けていますか?
5区はエースの投入も考えています。あとはつなぐタイプの者もいますので、ほかの選手の絡みもふまえて、5区は決まります。復路にも(主力を)1枚回そうと思っていますし、前半攻められる区間配置も考えていますので、そこのバランスを考えて、攻められる区間を貫いていければと思っています。
――チームの結束力が上がっているという手応えはどこから?
昨年の2位は「育成の年」という感がありました。ただ、今年は設楽兄弟も4年生。(シーズン前には)学生たちからも自然と3冠(という目標)が挙がってきて、「優勝を狙っていこう」と。ただ、その優勝を狙っての2位というのは、やはり何か原因がある。走力が上がっていても駅伝になっていないのは、個人がバラバラなのが最大の原因ではないかと思いました。学生スポーツ特有の“プラスアルファ”を引き出すのは、チーム力、結束力だと思ってます。
――啓太選手と悠太選手を4年間見てきて、一番成長を感じた部分は?
まずはトークがうまくなったのかなと(笑)。皆さんの取材を受けているお陰もあると思うのですが、いろんな機会を与えて下さって、さまざまな人にお会いする機会や場所も増えて、見聞が広がってきているのかなと思います。
また、フィジカルの面でもたくましくなってきました。強いて言うならば、走りでいうと、彼らは二卵性なので骨格も違うし、体重も常に啓太の方が上回っているので、走り方も違います。年々その差が顕著になってきているので、将来どのような成長を遂げていくのか、私もこれからが楽しみです。能力は2人とも本当に高いので、ぜひ、(2016年の)リオデジャネイロ五輪代表の座を双子で射止めてほしいなと思います。
――他大より優れている区間は?
4、7、8、10区。ここに関しては必ず区間賞を狙っていきたいです。
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