10代が続々台頭のロシア女子フィギュア=熾烈な五輪代表争いが産んだ百花繚乱ぶり
五輪選考は主要の3大会
五輪の2枠目は全体的な成績が考慮されかなりグレーであり、選考について質問すると各選手とも答えにくそうな表情になり、「すべては連盟に委ねられている」と一貫した答えが返ってくる。
ソトニコワ復調の今季
今季、復調の気配を見せるソトニコワ。GPファイナルで結果を出し、ロシアのエース完全復活を示したい 【Getty Images】
得意技の「3回転ルッツ+3回転ループ」は、イリーナ・スルツカヤと安藤美姫に次ぎ世界女子で3人目の大技。成功すれば基礎点は11.10点と連続ジャンプの中で最も高い。
11年世界ジュニアを14歳で優勝し、同年秋の翌シーズンからシニア参戦したが、身体の成長によりジャンプの波に苦しむ。「今までジャンプを難しいと感じた事が無かったが、身体の変化を感じている。練習するしかない」と言い、2シーズン連続でGPファイナル進出を逃していた。
ところが13年に入ると、まるでパズルがはまるかのように全ての技に正確さが戻ってきた。1月の欧州選手権では193.99点をマークし、ジュニア時代に記録していた自己ベストを2季ぶりに更新。今季の復調ぶりはさらに際立ち、フランス杯のフリーはノーミスの演技で129.80点を稼ぎ、総合順位2位で初のグランプリファイナル出場を決めた。
「もう2年以上、フリーでミスのない演技がなかったんです。本当に嬉しいしホッとしました」とソトニコワ。エース完全復活といっていい。
才能抜群の16歳トゥクタミシェワ
今季はジャンプが不調で、グランプリファイナル進出を逃したトゥクタミシェワだが、決して侮れない存在 【坂本清】
昨年12月のロシア国内選手権では、38度の熱がありながらも3回転+3回転のジャンプなどを決め、初の国内女王に。「体調は悪かったですが、これからもこういった様々なトラブルが試合で起きるでしょうし、どう乗り越えるか、気持ちをコントロールするかを学ぶために出場しました。やり切ることができました」と話したトゥクタミシェワ。精神力の強さを示した。
今季は体重の増加などからジャンプが不調で、グランプリファイナル進出を逃したが、潜在能力と精神力は抜群。決して侮れない存在だ。