元WBCコーチが語る侍ジャパンへの期待=小久保監督が台湾戦に込めたメッセージとは?

構成:スポーツナビ

篠塚氏は17年WBCに向け、今回の強化試合が選手たちへの「世界一への挑戦」という意識付けの場になったと指摘する 【写真は共同】

 小久保裕紀監督が率いた野球日本代表「侍ジャパン」は、初陣となった台湾との一連の強化試合を3連勝で終え、最高の船出となった。

 アマチュア4選手を含めた26歳以下の若い選手中心で臨んだ今回の台湾遠征を、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で打撃コーチを務めた篠塚和典氏はどう見たのか? 台湾戦を振り返ってもらうとともに、今後の侍ジャパンへの期待を聞いた。

成長を期待してのクリーンアップの編成

 今回の侍ジャパンは、2017年WBCに向けての出陣という意味合いが強かったですね。

 打線で言いますと、クリーンアップを東北楽天の銀次選手、北海道日本ハムの中田翔選手、埼玉西武の浅村栄斗選手で組みました。小久保監督のコメントを聞くと、クリーンアップをこの3選手で、というような発言をしていましたが、私が思うに、まだ打順は手探りだと思いますし、小久保監督の中で決まっていないと思いました。今回はあくまで選出メンバーの中での打順だったということ、彼ら3選手に「侍ジャパンの中核メンバーを任せたいから、その意識で頑張って成長してほしい」という小久保監督のメッセージの色合いが強いと思います。

 中田選手ですが、今回は骨折の影響もあって、本来の打棒からはほど遠い状態でした。4年後に向けて楽しみなバッターですので、もっと安定性が高まると良いと思います。実績を残し自信がついていけば、バッターボックスでの雰囲気ももっと出てくるのではないでしょうか。「侍ジャパンの4番」という自覚を持って、関係者、ファンから「4番は中田しかない」と言ってもらえるバッターに成長してほしいと思います。その才能はありますから、今後の活躍が楽しみです。

 台湾代表との戦いで投手陣は一定の結果を出せたと思います。投手陣は今回選ばれなかった各チームのエースたちも、まだまだいっぱいいますので、心配はいらないでしょう。あとは、メジャー組との融合ですね。小久保監督にとって、これも重要な仕事のひとつとなるでしょう。まずはメジャーの選手たちが、侍ジャパンに入りたいと思えるチームづくり、雰囲気づくりが重要となります。すでにメジャーのダルビッシュ有投手や、今後メジャー入りの可能性がある田中将大投手、前田健太投手あたりが代表入りし、軸になれば、問題ないと思います。順調に成長していってくれれば非常に楽しみなメンバーになると思います。

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