3年間無敗の小宮山に土…神村が女王に=RISE95

長谷川亮

一刀がダウンを奪って小宮山に判定勝ち

3年間無敗の小宮山からダウンを奪い金星を挙げた一刀 【t.SAKUMA】

「RISE95」が13日、東京・後楽園ホールで開催された。

 メーンイベントには3年間無敗で12連勝と圧倒的強さを見せるRISEスーパーフェザー級王者・小宮山工介が登場。“ストップ・ザ・小宮山”を誰が果たすかがひとつのテーマになっているRISEだが、今回は1階級下のRISEフェザー級王者・一刀が挑んだ(−60kg契約)。
 試合は3Rまで小宮山が顔面前蹴り、跳びヒザ、後ろ回し蹴りといった変幻自在の空手技を使い、一刀が得意のパンチを振るってきてもクリンチで絡め取り優勢に展開。このまま小宮山が判定勝利かと思われたが、小宮山の左フックを被弾するも一刀は直後に右ストレートから左フックを返し、これで打ち抜くと小宮山がダウン。唖然とした表情を浮かべた小宮山は立ち上がって反撃に移るもダウンを奪い返すには至らず試合終了。判定は29−28、29−28、30−28の3−0で一刀。1階級上の王者で3年間敗北のなかった小宮山を相手に大きな白星をものにした。

左目をカットしながらも激戦制した神村

第2代RISE QUEEN決定戦で左目じりを切りながら奮闘し、王者を勝ち取った神村エリカ 【t.SAKUMA】

 第9試合では神村エリカと紅絹による第2代RISE QUEEN(−48kg)決定戦を実施。神村は2011年11月に初代RISE QUEEN決定戦に臨むも有利の下馬評を覆され、シュートボクシングのRENAに判定負け。RENAがベルトを返上したためリベンジ戦はならなかったが、悲願のRISE QUEENとなるため紅絹との戦いに挑んだ。
 フットワークを使いパンチ主体で攻める紅絹を戦前「苦手なタイプ」と語った神村は、サウスポーから上下左右に頭を振ってパンチを打ち分ける紅絹をやはり攻めあぐねる。さらに3Rには紅絹が頭を低くし入ってきたことでバッティングとなり、これで左目の上を深くカットし出血に見舞われる。
 傷口にたびたびドクターチェックが入る厳しい戦いとなった神村だが、右ハイ・右ミドルから右ストレートを連係して打ち込み、打ち合いにも応じると最後は首相撲からのヒザ蹴り。鮮血まみれの苦闘となったが、判定は49−48、49−48、49−47の3−0で制し神村が勝利。第2代RISE QUEENのベルトが巻かれると神村は涙が止まらず、「キックはTARGETが世界一だと思うので、これからもTARGETと神村エリカをよろしくお願いします」と所属ジムへの愛をマイクで語った。

テラスハウス出演のDykiが引退挨拶

引退を発表したDykiがリング上からファンにあいさつ 【t.SAKUMA】

 また、この日の第8試合終了後には先日「くも膜嚢胞」の発覚により引退を発表したDykiがリングイン。マイクを持つと「格闘技って最高のものだと思うんです。僕は『テラスハウス』っていう番組に出させてもらって、その素晴らしさをみんなにも知ってもらいたいと思っていましたが、それができなくなってしまったっていうのが残念で心残りです。でも、まだ格闘技には関われると思うので、知らない人にも広められるよう、恩返しができるよう、活躍できるか分かりませんけど、これからも応援お願いします」と引退の挨拶を行った。なお、Dykiは9月21日に京セラドームで開催されるファッションイベント「関西コレクション」でモデルデビューを果たすこともこの日併せて発表となった。
■「RISE 95」
9月13日 東京・後楽園ホール

<メーンイベント(第11試合) SuperFight! −60kg契約 3分3R延長1R>
○一刀(日進会館/初代RISEフェザー級王者)
(判定3−0:29−28、29−28、30−28)
●小宮山工介(北斗会館/第3代RISEスーパーフェザー級王者)

<セミファイナル(第10試合) SuperFight! ライトヘビー級(−90kg)3分3R延長1R>
△上原誠(士魂村上塾/初代ライトヘビー級王者)
(延長判定ドロー:10−9、10−10、10−10※本戦判定は3者10−10でドロー)
△キム・ネイチュル(韓国/Team Possi Gangnam/IKFヘビー級王者)

<第9試合 第2代RISE QUEEN(−48kg)決定戦 3分5R無制限延長R>
○神村エリカ(TARGET)
(判定3−0:49−48、49−48、49−47)
●紅絹(フォルティス渋谷)

<第8試合 RISEヘビー級次期挑戦者決定戦 3分3R無制限延長R>
○羅王丸(TARGET/ヘビー級2位)
(無効試合)※
●天田ヒロミ(デジタルスピリッツ/ヘビー級4位、K−1 JAPAN GP 2004優勝)
※レフェリーのミスジャッジにより無効試合に

<第7試合 ウェルター級(−67.5kg) 3分3R延長1R>
○ダニロ・ザノリニ(ブラジル/TS GYM/ブラジリアン・タイ/HEATキックルール ミドル級王者)
(判定3−0:30−28、30−28、30−27)
金井健治(シーザージム新小岩/元SB日本スーパーウェルター級王者)

<第6試合 −64kg契約 3分3R延長1R>
○菱川晋作(正道会館/ACCELライト級王者)
(判定3−0:30−28、30−28、30−29)
●渡辺理想(極真会館/ライト級2位)

<第5試合 スーパーフェザー級(−60kg)3分3R延長1R>
○郷州力(PHOENIX/スーパーフェザー級6位)
(判定2−0:30−28、29−29、30−28 )
●TASUKU(リアルディール/スーパーフェザー級8位)

<第4試合 スーパーライト級(−63kg) 3分3R延長1R>
○丹羽圭介(HAYATO GYM/ライト級10位)
(判定3−0:29−28、29−28、30−28)
●道地誠(総合格闘技ジムCORE王子豊島)

<第3試合 バンタム級(−55kg) 3分3R延長1R>
○村越優汰(湘南格闘クラブ/バンタム級5位)
(2R1分10秒 KO)
●有松朝(リアルディール)

<第2試合 フェザー級(−57.5kg)3分3R延長1R>
○指首祐太(STRUGGLE/フェザー級3位)
(判定2−0:29−29、30−29、30−29)
●家元智明(シルバーウルフ/フェザー級4位)

<第1試合 スーパーフェザー級(−60kg)3分3R>
○開道(HAYATO GYM)
(判定3−0:29−26、29−26、29−25)
●ACHI(TARGET)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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