うだるような暑さとなった１０日、夏バテ知らずの“邪道”大仁田厚が昼夜にわたって精力的な動きを見せた。

　まずは１５時３０分より、ＮＯＳＡＷＡ論外の表敬訪問を受ける形で“共同記者会見”に臨んだ。東京愚連隊興行８.２６新宿ＦＡＣＥ大会で大仁田とタッグで対戦するＮＯＳＡＷＡは、自ら主催する大会のＰＲを兼ねて菓子折り持参で登場。これには、「近くのコンビニで買ってきたんだろ？」と見透かしながらも、さすがに大仁田も悪い気はしなかったようで、すっかり相好を崩しっ放しでＮＯＳＡＷＡに応じた。
「長いものには巻かれろ、を身上としているもので。大仁田バブルにあやかろうと思いまして」と、対戦を要望した理由を臆面もなく伝えるＮＯＳＷＡに、「わかりやすくていいよ。オレ、好きだよ、キミみたいの。今、バカなヤツっていなくなったし」と大仁田が切り返し、かつてＮＯＳＡＷＡが起こした“タクシー泥酔運転事件”の真相を聞き出す一幕もあった。
　なごやかなムードのまま会見は進み、有刺鉄線ボード・ストリートファイト・トルネードタッグデスマッチ（大仁田＆田中将斗vs.ＮＯＳＡＷＡ＆ＫＩＫＵＺＡＷＡ）で対戦する８.２６新宿に向け、すでに対策を練っていることをＮＯＳＡＷＡが明かすと、大仁田は「じゃあ気合い入れて、毒霧対策、有刺鉄線ボード対策もやってくれ」とエールを送る余裕まで示した。あくまで低姿勢のＮＯＳＡＷＡに毒気を抜かれて墓穴を掘りかねないが……。

　会見を終えるや、大仁田は後楽園ホールに直行。真樹日佐夫追悼興行『ＫＩＣＫ　ＧＵＴＳ２０１３〜格闘技の祭典再び〜』に出撃し、初代タイガーマスク＆青柳政司と激突。昨年から抗争を継続中の初代タイガー、ＦＭＷ旗揚げ前の１９８９年７月に『格闘技の祭典』のリングで初遭遇した宿敵・青柳を相手に、タッグパートナーの矢口壹琅ともども邪道殺法全開で暴れ回ったが、有刺鉄線バット攻撃が誤爆した隙を突かれて矢口が青柳に押さえ込まれた。
　しかし、邪道コンビは敗戦後もリングを占拠し、初代タイガー組の助太刀に現れた“実写版”タイガーマスクをも大仁田はマイクで罵倒。バックステージに引き揚げてからも、コメント中の初代タイガーの元へ押しかけ、レジェンドプロレス８.１６札幌で組まれた一騎打ちの試合形式を当日まで相手側に知らせない“虎の穴デスマッチ”とすることを、激昂した初代タイガーに呑ませて意気揚々と去った。

　猛暑をものともせず真夏に狂い咲く邪道が、レジェンド８.１８札幌で、東京愚連隊興行８.２６新宿で、さらなるヒートアップを呼ぶ！！

（小野　仁）