実力証明した「社会人No.1」吉田一将=都市対抗で活躍したプロ注目選手
連覇達成のJX 注目の三上“登板剥奪”で奮起
JX−ENEOSの2年目右腕・三上朋也もドラフト上位候補の1人だ 【写真は共同】
というのもその北海道戦では初回、なんでもないピッチャーゴロを一塁に大暴投し、そこから2点を失ってヒヤリとさせているのだ。それでもけろりとした態度に大久保監督は、準々決勝、準決勝では登板機会を剥奪。これが三上の危機感を刺激したのか、「気合いの入った顔で先発を志願してきた」(大久保監督)決勝では、無様な姿を見せるわけにはいかなかっただろう。結局、2試合14回3分の1で自責は1と、こちらもドラフト上位候補か。
そして、JX−ENEOSの連覇を締めたのは大城基志だ。この小柄な左腕は球速こそないものの、キレの良い速球と変化球を丁寧に集め、準決勝では神奈川のライバル・東芝に1失点完投。結局先発、抑えと全5試合に登板し、23回3分の1を4失点にまとめて史上2人目の2年連続橋戸賞(MVP)に輝いた。本人はどうも社会人野球の魅力にどっぷりらしいが、プロでも中継ぎとして貴重な左腕になりうる。
ほかに上位進出組では岡本健(新日鉄住金かずさマジック)、威力ある右サイドハンドの秋吉亮(パナソニック)、石川歩(東京ガス)らが良い。ことに石川は、長身からの145キロ速球を武器に、2試合15回を投げて自責1と成長ぶりを示した。
爆発力に評価 セガサミー浦野
イキが良かったのは、TDKの5年目・豊田拓矢。小柄ながら、野茂英雄ばりに体を目一杯使って投げ込む140キロ台中盤が小気味良い。ヤマハとの2回戦では、大会通じて最速の148キロをマークするなど、7回2死まで一人の走者も出さない完全ペースだった。不運な打球で失点したが、11年のこの大会では、森内寿春(当時JR東日本東北、現北海道日本ハム)が完全試合を達成。それまでノーマークだったのが一躍注目され、プロ入りを実現している。同様に、中央では無名だった豊田の場合も、もしかすると指名があるかも?
野手陣にも注目選手が多数
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