今こそ話す、DeNAブランコ移籍での想い=その理由と10年来の“兄”の存在

ベースボール・タイムズ

定位置“脱出”へ DeNA奮闘を支える不動の4番

「ここまでの成績に満足しているが、チームが勝てていないので意味がない」と語るブランコ。Aクラス入りに向けて「最後まで戦う」と熱く話す 【写真は共同】

 “例年通り”であれば、チームの順位どうこうではなく、なんとか大金星を勝ち取るための、あるいは浮上のキッカケをつかむための戦いを繰り広げていたかもしれない。交流戦こそ悪夢の最下位に終わったものの、6月23日現在、3位と1ゲーム差のリーグ5位。2年目を迎えた中畑ベイスターズが、いまなおセ・リーグAクラス戦線をにぎわせている。

 今季、ここまでの戦いができているのはなぜなのか――。そう聞かれたとき、誰しもが彼の存在を口にすることだろう。移籍1年目、開幕から3カ月にして、早くもチームの顔とも言える存在となった、トニ・ブランコだ。現在、打率3割3分6厘、24本塁打、65打点。いずれもチームトップの成績で横浜DeNA不動の4番として活躍を続けている。その助っ人が移籍1年目の今季、どんな思いで開幕を迎えたのか。質問をぶつけると、こんな答えが返ってきた。

「とにかく、チームに貢献するという自分の目標を達成すること。そして、なにより『最後まで戦い抜くこと』を目標にシーズンを迎えたんだ」

決意の来日5年目 必要としてくれたチームのために

 ブランコは昨季まで中日の一員として活躍をしてきた。来日1年目の2009年に本塁打王と打点王の二冠を獲得すると、その後もチームに欠かせない長距離砲として活躍。そして来日5年目を迎えた今季、新天地へと戦いの場を移した。移籍の理由は「自分を本当に必要としてくれたから」。当然、DeNAが近年、最下位に沈み続けていたのも知っていた。自分を必要としてくれるなら――。チームを“定位置”から脱却させるために、意識を高く持っていたという。

「もともと(横浜は)攻撃力があるチームだと思っていた。そこに僕が加われば、もっと点数を取れるようになると思った。実際に入ってみたら、若くて才能ある選手が多いし、チームはまとまっているなぁと感じている。あとは勝利のための試合運びをどこまでできるようになるか、ということが大事だと思っている」

 このチームは戦える。勝利、ひいてはAクラス入りへ、あとは気持ちの問題だと感じていた。重ねるようにブランコは話した。
「僕自身、ここまでの成績に満足している部分はあるけど、チームが勝てていないので意味がないとも思っている。シーズンは長いので、気を抜かずに、最後までアグレッシブにいきたい。チームのためにもっともっと活躍をしたいと思っている」

 ブランコ自身、過去2年はけがもあって満足いく成績を残せていなかった。ただ当然、まだまだできる自信はあった。そんな自分を必要としてくれたDeNAへの貢献と、自身の復活。何度も『最後まで』という言葉を口にし、Aクラス入りへ向けた戦いを繰り広げることを口にした。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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