今こそ話す、DeNAブランコ移籍での想い=その理由と10年来の“兄”の存在

ベースボール・タイムズ

活躍の裏に10年来の“兄”の存在

ソーサ(右)と「一緒にプレーできているのはすごく幸せ」と話すブランコ。二人の力でDeNAを歓喜へと導く 【小林学】

 ブランコの開幕からの活躍ぶりに、多くのメディアが注目し、これまでも度々記事になってきた。本拠地が狭くなったことで「思い切り打たなくても本塁打を放つことができ、気持ち的に楽になった」と言っていることや、まるで師匠のような存在であるラミレスとの関係など話題は多いが、中でも注目なのは、今季、ともに中日から移籍してきたソーサ、ソトとの間柄だ。試合後に、ソーサが自宅で料理をふるまう様子がテレビでも取り上げられたこともあるだけに、彼ら3人の仲むつまじい様子を一度は目にしたことがある人もいるだろう。

 実際、グラウンドでも彼らはよく会話する様子が見られ、特に同じドミニカ共和国の出身であるソーサとは、まるで本当の兄弟のような間柄である。年齢的にはソーサが3歳上の“兄”。昨季からの知り合いだと思われがちだが、実はドミニカにいたころから10年来の知り合いだとソーサが教えてくれた。
「ドミニカのウインターリーグでも一緒にプレーしていたから、お互いのことはよく知っていたんだ。実家が近かったっていうのもあって、当時からすごく仲良くしていたんだよ。初めて会ったのは03年。それから互いに違うチームでプレーをして離ればなれだったんだけど、昨季日本で再会することができた。久しぶりにあったときは、お互いにハグしたよ。いま一緒にプレーできているのはすごく幸せなことだと思っているよ」

幸せな環境で勝利の喜びを

 単に同郷というだけではなく、実家も近所で家族ぐるみの付き合いがあるという。ブランコも言う。
「昨年、ソーサがテストを受けにくると聞いたときはうれしかったよ。僕はソーサがどういうピッチャーだか分かっていたし、昨季活躍している姿を見て、自分のことのようにうれしかった。当然移籍をするときも、互いに話し合ったよ。ハンコを押したのか? どうするんだ? ってね。ソーサはいつもどんなことでも相談に乗ってくれる頼れるお兄さんみたいな存在だよ。また、おいしい手料理も作ってくれるからママでもあるね(笑)」

 日本で“兄”と再会し、自らの目標へ向け「幸せ」と語る環境でバットを振り続けるブランコ。ドミニカ共和国出身として、胸には野球への熱い愛を秘め、最高のゴールを目指す。
「シーズンはまだまだこれから。最後まで皆を喜ばせるプレーを見せたいと思っているよ」

 リーグ戦が再開し、チームは連勝スタートを切った。最下位脱出、そして悲願のCS出場へ。まだまだ戦いはこれから――。最後まで強い意識を持って戦うブランコが、チームを歓喜へと導いてくれることだろう。

<了>

(大槻美佳/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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