千六でも最強カナロア! 世界の二冠王へ―岩田には10万円の過怠金、後味悪く
世界の二冠王へ、暮れの香港マイルも視野に
暮れの香港はマイルかスプリントか、いずれにせよこのコンビが再び大暴れを見せる 【写真:中原義史】
「1600メートルで、しかも東京のマイルで勝てたことで選択肢が広がりましたね。馬の負担を考えて、1600メートル以下のレースを使って行きたいと思いますが、秋はスプリンターズステークス、マイルチャンピオンシップに向けていきたいと思っています」
そして海外メディアから暮れの香港マイル(12月8日)の可能性を問われると、こう切り出した。
「はい、きょうの勝ちっぷりを見ていますと、香港マイルも魅力的に思えてきましたね」
一般的な見解からすると香港マイルの方がスプリントよりも難しい、とは付け加えたものの、その表情は勝算十分。岩田も下半期へ向けて再び闘志を入れ直したように力を込めた。
「ロードカナロアは世界のレースを制している馬ですから、僕自身、今日はマイルでも負けるわけにはいかないと思っていました。安田記念を勝ったことで路線は広がったと思いますし、暮れのレースまで負けられない一戦が続くと思います」
スプリント&マイルGIを制した馬はロードカナロアでJRA史上6頭目となったが、秋にマイルCSを制すれば、史上初の古馬混合スプリント&マイルGI(安田記念、マイルCS、スプリンターズS、高松宮記念)完全制覇となる。もちろん過去に香港スプリント&マイル両方を制した馬もいない。日本が誇る世界のスプリンターは、この秋から冬にかけて世界の二冠王へと歩みを進める。ロードカナロアの快進撃はまだまだ止まらない。
直線痛恨……浜中ショウナンマイティ悔し2着惜敗
浜中ショウナンマイティ(左)はよく追い込むも一歩届かず無念の2着 【写真:中原義史】
ラスト3Fはメンバー最速の32秒8。あと、一完歩あれば着順は入れ替わっていたかもしれない。それほどまでに、ショウナンマイティの最後の末脚は際立っていた。
「初めてのマイルでしたけど、馬がよく応えてくれる走りをしてくれました。GIを取らせてあげたかった。悔しいです……」
主戦の浜中が、落ちそうになる悔し涙をこらえながら気丈に答えた。デビューからコンビを組み続け、一時は武豊に手綱が渡ったときもあったが、昨年春に再びコンビを復活させるとすぐさまGII大阪杯でショウナンマイティにとっての重賞初制覇を達成。その後もGI宝塚記念3着など、浜中にとっては大きな存在の相棒だ。それだけに“あと一歩”が悔やまれる。
また、浜中とショウナンマイティにとって無念だったのは、最後の直線でロードカナロアが外に斜行してきた影響ですぐ隣にいたダノンシャークが外に振られてしまい、そのアオリを食う形でショウナンマイティも外に振られてしまったことだ。
あの不利さえなければ……というところだが、浜中は「勝負事なので仕方ないです」と“タラレバ”は口にせず、「また秋、チャンスはあると思いますから」と、秋GIでの初戴冠を誓った。