初代タイガーvs.丸藤の見どころは“真の空中戦”
7年3カ月ぶりの一騎打ち
7年3カ月ぶりのシングルマッチとなる初代タイガーマスクと丸藤(写真は2012年9月のリアルジャパンより) 【t.SAKUMA/佐藤崇】
この一戦は、実に7年3カ月ぶりのシングルマッチ。前回は2006年3月10日のリアルジャパン後楽園大会で、この時は、初代タイガーが逆さ押さえ込みから丸藤を破っている。その後、両者は2度に渡りタッグを結成。ノアの丸藤プロデュース興行(2010年3月14日、ディファ有明)で金丸義信&平柳玄藩組、リアルジャパン(2012年9月21日、後楽園ホール)で高岩竜一&関本大介組を破っているのだが、反対のコーナーに立つことはなかった。
虎視眈々と首を狙っていた丸藤
「足も調子が良いものですから、スクワットも、けっこう出来るようになりまして、いい試合になるのは間違いない」と、初代タイガー。このコメントに対し、丸藤は以下のように語っている。
「初代タイガーマスクから対戦を求められて、断る人間はこの世界にはいないと思うので、7年前の借りを返すつもりでいますし、虎視眈々とその首を狙っていましたので、そのチャンスが来たかなと思ってます。特に、スタイルを変えるつもりはないですが、すべての局面で対応できるように、気を付けます」
対戦したくてもそう簡単にはできない初代タイガーとのシングルマッチ。丸藤だけではない。ファンはもちろん、現役レスラーで初代タイガーに憧れない者はいないだろう。たとえ、リアルタイムで体感していなくても、その影響力は現在でも絶大。ましてや、初代タイガーマスク、そして2代目タイガーの故・三沢光晴さんといったタイガーマスク伝説を知る丸藤からすれば、待ちに待った一騎打ちなのだ。
飛び技の品評会ではない空中戦
果たして、試合は初代タイガーが宣言する「空中戦」となるのだろうか。丸藤が「すべての局面に対応できるように」と言うように、初代タイガーからの“謎かけ”という可能性も考えられる。それを察知したか、丸藤は「(前回のフィニッシュになった)逆さ押さえ込みに注意」と警戒心も忘れない。「空中戦」をキーワードに両者の駆け引きを追うのも、観る側としては大きな楽しみのひとつだ。
さて、「空中戦」とはいっても、初代タイガーが口にする「空中戦」は、現代のそれとは意味が異なる。タイガーの空中戦とは、飛び技の品評会ではない。相手を倒すために必要な空中殺法を仕掛けていく。初代タイガーがこだわるのは見た目の美しさよりも、その必要性である。初代タイガーマスクブームの時代には、空中戦のストロングスタイルがあった。ストロングスタイルの復興こそ、リアルジャパンのテーマでもある。それを、丸藤と展開したい、ということなのではなかろうか。ひらめきの天才である丸藤となら、それが出来る。そう考えたからこそ、の指名なのではないかと思えるのだ。
先の高山戦では、格闘スタイルの強さを表に出してきた。ならばこんどは、真の空中戦を理解出来る者との空中戦によるストロングスタイル。そこに、この試合の大きな見どころがあるのではないか。そう考えれば、さらに興味が増す一戦となるだろう。
いったいどんな答えが導き出されるのか、興味は尽きない!
(構成・文:新井宏)
6月7日(金)東京・後楽園ホール 試合開始:18時30分
<メーンイベント 60分1本勝負>
初代タイガーマスク
丸藤正道
<セミファイナル 6人タッグマッチ 60分1本勝負>
長州力、スーパー・タイガー、アレクサンダー大塚
高岩竜一、関本大介、岡林裕二
<第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
石川雄規、長井満也
タイガー・シャーク、臼田勝美
<第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ドラゴン
ケンドー・ナカザキ
<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
折原昌夫、グラン浜田
若翔洋、佐藤光留
<第1試合シングルマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー
間下隼人
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