チャンスは『今』でしょ! 巨人・亀井善行、復活のときが来た

ベースボール・タイムズ

4年ぶりのサヨナラ打! 原監督「一番状態が良い」

巨人・亀井、復活は『今』でしょ! 【写真は共同】

「メッチャうれしいです。打った瞬間、サヨナラということを忘れてました。同点やと思ってた。それくらい集中してました。ホントに良かったです」

 5月25日のオリックス戦(東京ドーム)。1点を追う土壇場9回裏、1死二、三塁から打席に入った巨人・亀井善行は、カウント2−2からファウルで2球粘った後の7球目、低めに落ちるフォークボールに巧みにバットを合わせてセンター前へ運んだ。
「来た球に反応するだけでした」と亀井。自身09年8月8日のヤクルト戦(東京ドーム)以来となるサヨナラ打に「4年ぶりというのは恥ずかしいですけど……」と照れ笑いを浮かべたが、オリックスの守護神・平野佳寿の150キロ超のストレートに対応しながらの変化球打ちに「あれをヒットに持って行けるのが今までと違うところ。成長した部分かな」と納得の表情。これまで事あるごとに厳しい言葉を投げかけてきた原辰徳監督も、頷きながら「今、チームの中で一番状態が良いと思います」と褒め称えた。

新しい自分を追い求めて

 09年に打率2割9分0厘、25本塁打、71打点、12盗塁の好成績を残して7年ぶりの日本一奪回の立役者となった亀井だが、一転、翌10年からは長きに渡るスランプに陥った。試行錯誤を続ける中で幾度か“単発”での輝きを見せたことはあったが、継続性を欠いて成績は下降。そして昨季は過去5年間で自己最少の60試合出場に止まり、打率2割3分6厘、2本塁打、11打点と、期待を大きく裏切る結果となった。

 迎えたプロ9年目の今季を「今年駄目だったら諦めるというか、そういう覚悟を持って臨んだシーズン」と打ち明ける。開幕前には「何かを変えないといけないということで、まずは名前を変えた。心機一転です」と登録名を『義行』から『善行』へと変更。さらに打撃フォーム改造にも着手し、グリップの位置を下げてオープンスタンス気味に構え、それまで上げていた右足はすり足へ。一時、追い求めていた長打へのこだわりも捨てた。

「打席では自然体というのが一番かなと。今はシンプルな形で打席に立って、余計なことを考えずにシンプルに考えることだけを意識してやっています。09年の時は27歳になる年でしたけど、今年は僕も31歳になる。体付きも変わっていますし、あの頃と同じには戻れない。新しい自分を見つけながらやっています」

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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