川島を中心にスタンダールが誇った堅守=ベルギーの頂へ高まる“ゼロ”への意識
監督もパーフェクトと称した会心の試合運び
川島(左)を中心に体を張った守備で、スタンダールはクラブ・ブルージュを完封。プレーオフで幸先良いスタートを切った 【写真は共同】
4月1日、スタンダールは敵地でクラブ・ブルージュを2−0で下した。しっかり自陣で守備ブロックを作り、我慢しながら好機を探った。ゴールは前半、ともにFKから右サイドへ振り、そこからのクロスで決まったもの。一手間かけたセットプレーが功を奏した。
スタンダールのピンチも数えるほどだった。立ち上がりにクラブ・ブルージュのエースストライカー、カルロス・バッカは川島永嗣と1対1になる絶好機を迎えたが、浮き球のシュートは左ポストに当たって外れた。川島にとってそれ以外のピンチは33分、相手のCKが風で変化し、足を滑らせながらパンチした場面と、後半混戦で相手DFライアン・ドンクのシュートを反応良くはじいた場面ぐらいだ。「パーフェクトゲームだった」とミルチェア・レドニック監督が評したほど、スタンダールにとって会心の試合運びだった。
「今日は本当にチームとしてハードワークができた。それがこういう良い結果につながったと思います」と川島が振り返った通り、スタンダールの選手はピッチの上で体を張り続け、相手シュートに対しては文字通り体を投げ出してブロックし続けた。
「リーグ戦(レギュラーシーズン)の中でも“ゼロ(完封)”に対する意識がすごく高くなってきた。ディフェンスの選手もそうだし、フォワードの選手も含めてみんなが、守備面で戦術的にしっかり動けていた。あとは個人的な部分でも、球際で負けないとか、最後のところでしっかり体を張ることができていたと思います」(川島)
ヨルダン戦敗戦を糧に成長目指す川島
3月31日はオランダ・エールディビジでフィテッセのハーフナー・マイクがヘッドで1点を決め、攻守に気持ちの入ったプレーをみせた。イングランド・プレミアリーグでは吉田麻也が強豪チェルシー相手にしっかり守り、2−1の勝利に貢献した。ドイツ・ブンデスリーガでは、フランクフルトの乾貴士がゴール、ニュルンベルクの清武弘嗣はアシストを記録するなど、欧州各地から日本代表選手の活躍の知らせが入ってきた。
「この前の試合で負けたことで、W杯を決められなかったことがショックだったし、みんな悔しさはもちろんあると思う。残り2試合も簡単な試合ではない。ホームだとは言え、相手はオーストラリアだし、イラクとも敵地で戦わないといけない。自分たちがチームで積み重ねてきたことをどれだけ今後代表で出せるのか。そこをみんなそれぞれあらためて自覚したと思う。シーズンは終盤になりましたが、僕も含めて1試合1試合、個人として成長していけるようにやっていければ良いと思ってます」(川島)
プレーオフで幸先良いスタートを切ったスタンダールは、これで6位から4位へ順位を上げた。次節は首位アンデルレヒトとホームで戦う。この試合にスタンダールが勝てば、アンデルレヒトとの差は一気に勝ち点3まで縮まる。
「プレーオフで良いスタートを切れたことは間違いない。1試合1試合、1ポイント1ポイントが大事になってくる。次もかなり大事なゲームだと思います。自分たちが上に行くためにも1試合1試合全力でやっていければ良いと思います」
<了>
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