ジェンティルドンナ最強伝説第2章、さあ幕開け

JRA-VAN

ジャパンカップで実現、オルフェーヴルとの3冠馬対決

昨年のJC、壮絶な叩き合いの末に先輩3冠馬のオルフェーヴル(手前)をハナ差退けた 【写真:中原義史】

 こうなると、エリザベス女王杯で4冠目のタイトルを狙うのかと思いきや、陣営は牝馬との戦いには決着がついたとばかりに、世界の強豪が集うジャパンCへ進路を取った。オルフェーヴルとの3冠馬対決に加え、そのオルフェーヴルを凱旋門賞で破ったソレミアも参戦するなど、G1馬がズラリと顔をそろえた。この年のジャパンCが例年以上に盛り上がったことは言うまでもないだろう。

 ジェンティルドンナにとっては初めての古馬トップクラスとの対戦ということで、若干の不安もあったが、フタを開けてビックリ。度肝を抜くレースを見せてくれた。レースでは今までとは異なる先行策に打って出る。上手く折り合い直線では馬場の最内からスパート。ただし、前には逃げ粘りを図るビートブラックの姿が……。ここで岩田騎手は彼女を外側へと誘導。しかしながら馬群の真ん中からはオルフェーヴルが抜け出してビートブラックをかわそうとしていた。その瞬間、2頭が接触。普通の牝馬ならばたじろいで進路を失っていたところだろうが、何とジェンティルドンナはオルフェーヴルを弾き飛ばして進路を確保したのだ。

 そして、残り200mを切ったところから2頭が馬体を併せて壮絶な叩き合い。秋華賞に続いて、今度はオルフェーヴルを相手にハナ差で勝利。3冠牝馬は瞬く間に国内の頂点に登りつめ、世界にその名を知らしめた。直線でオルフェーヴルを弾き飛ばしたことで審議となり、関係者、ファンの間に物議を呼んだが、今思えばそれくらいの根性が無ければ世界では通用しないということも事実。オルフェーヴル陣営には気の毒だが、ジェンティルドンナ陣営とすれば色々な意味で収穫の多いレースだったといえる。

シーマクラシックも勝ち負けは必至

 ジェンティルドンナは4つのG1タイトルを得ると共に年度代表馬の座も獲得。名実共に日本のトップホースとなった。

 こうなると当然のように、その上のステップを目指すことになる。秋には凱旋門賞で真の世界一を目指す予定だが、まずは古馬初戦としてドバイシーマクラシックに挑戦。昨年のパフォーマンスに加え、今年の同レース出走予定メンバーを見ると、まず勝ち負けになるのは必至。ジェンティルドンナ最強伝説の第2章が間もなく幕を開ける。

(text by Kazuhiro Kuramoto)

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