WBC日本代表を支える“準・侍ジャパン”

スポーツカルチャー研究所

チャーター機の提供、移動面の負担軽減

キャンプ地アリゾナでリラックスした表情を見せる侍ジャパン、しっかりリフレッシュして決勝ラウンドに臨んでほしい 【写真は共同】

 福岡の1次ラウンド(2勝1敗)、東京の2次ラウンド(3勝0敗)を苦しみながらも5勝1敗で勝ち抜いた侍ジャパン。8つの国と地域がしのぎを削ったプール1組の1位として、2位のオランダと共に、一行は現地時間12日、アリゾナに到着した。
 侍ジャパンは時差調整を兼ね、アリゾナに3日間滞在する。現地時間13日の練習に続き、翌14日からはMLBのジャイアンツ、カブスと練習試合を行い、現地15日の夜(日本時間16日)、準決勝の舞台サンフランシスコへ移動する。

 第3回を迎えたWBCは、様々な面で改善点が見られる。WBCを主催するMLBは、大会オフィシャルスポンサーの航空会社からチャーター機の提供を受け、東京ラウンドが終わるやいなや、深夜の羽田空港から日本・オランダ両チームおよび関係者をアリゾナまで送り届けた。
 また惜しくも準決勝進出を逃したキューバ代表は、万に一の不慮の事故に備えて2組に分かれて帰国するなど、過去2大会よりも選手たちの移動面での負担は軽減されている。

「個人トレーナー」の帯同は初の試み

 とはいえ人工芝の戦いが続いた1次、2次ラウンドの選手たちの疲労度はかなりなもの。本来この時期は、温暖なキャンプ地でたっぷり走り込んで半年に及ぶペナントに備える時期だが、大阪、福岡、東京と続いたドーム球場+人工芝での連戦は、特に足腰への疲労度を蓄積させた。事実、人工芝でのプレー経験がほとんどないオランダ代表は、2次ラウンド終盤に故障者が続出。ミューレンス監督も「アリゾナに行くまではプレーさせない」とコメントしたほどだ。

 また実際、選手たちはここ20日間、ホテルとドームの往復ばかりで、太陽の日差しをほとんど浴びていない。心的なストレスもかなり溜まっている点が気掛かりだ。

 そこで活躍するのが“準・侍ジャパン”のメンバーたちだ。
 侍ジャパンは今回、初の試みとして、代表選手が個々に契約する「個人トレーナー」の帯同を認めた。準・侍ジャパンのメンバーも、チャーター機で渡米するなど、代表スタッフと極力同じ環境にいられるよう最大限のアレンジをしている。
 もちろん過去2大会も、侍ジャパンには複数のチームトレーナーが完全帯同してきた。彼らはMLBやNPBの各球団から選抜された現職の“腕利きトレーナー陣”だった。問題だったのは、大会が終わると選手と共にトレーナー陣も各所属球団に戻るため、代表チームで戦った選手たちの身体のコンディションが“敵チーム”に筒抜けとなった点だ。

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