攻守に未熟さを露呈した新生なでしこ=新戦力を起用も目立った監督のさい配ミス
浮き彫りになった新戦力の課題
そして、前半8分と16分という早い時間帯に、立て続けに2失点した守備の課題も目立った。失点はいずれも日本の右サイドを突破されてのものだったが、相手が加速した状態で突っ込んでくる局面で、川村優に対応させるのは無理があった。彼女も本来ならば中盤の底で活躍する選手だ。狭いエリアで、一歩でガツンと体をぶつけるシーンならば、なでしこリーグでも良い働きを見せている。体のぶつかり合いをいとわない、人に強いタイプの選手だが、彼女自身が加速を得意とするタイプとは言いがたいため、スピードでの勝負にさらされるサイドでの起用はリスクが大きい。佐々木監督は「(川村優を)数日前からサイドバックにコンバートした。いきなり(実戦で起用すること)は厳しかった。僕自身のさい配で悔しい思いをさせてしまった」と選手をかばった。
なでしこは1日にしてならず
ワールドカップやロンドン五輪の時のように、手に汗を握るなでしこの戦いを期待して応援していたファンにとって、この日のノルウェー戦はかなり不満だったに違いない。だが、世界一になった選手たちも、自分らしさを出せなかったり、チームとしてかみ合わなかったりする経験を過去に味わっているのだ。
なでしこは1日にしてならず。
この大会も、新生なでしこジャパンの成長の過程を一から見届けるつもりで向き合えれば、きっと楽しめるはずだ。
<了>