鹿島・鈴木氏が語る「Jリーグクラブのビジネスモデル」

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

鹿島アントラーズの経営理念について語った鈴木秀樹取締役事業部長 【スポーツナビ】

 東京都港区と日本ラグビー協会が主催する「みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて」第29回が2月21日に行われ、サッカーJリーグの鹿島アントラーズで取締役事業部長を務める鈴木秀樹氏が「鹿島アントラーズのビジネスモデル」をテーマに講演した。

 鈴木氏は、人気、実力ともにリーグをけん引し続ける鹿島のクラブ運営の理念や目指す方向性について語った。

鹿島が目指すべき姿

 鹿島は1991年のクラブ創立から、2011年で20周年を迎えました。そこで、過去20年間の検証を行いました。多くの時間をかけて何度も会議を重ね、われわれが得たもの、そして失ったものは何かを調査したのです。すると、1000を超える項目が上がってきました。それらをまとめていき、クラブができて50年後、今から30年後、われわれはこうありたいという経営ビジョンをつくりました。それが「KA41」です。11年10月1日、クラブの創立記念の日に発表しました。

 時間が経つにつれて、状況は変わっていきます。まず人が変わりますよね。選手が変われば、経営者も変わります。ただ、われわれが果たす役割をはっきりとさせ、誰が変わってもそれを追い続けるために作ったものが今回の経営ビジョンになります。

「KA41」

2041年に目指すクラブの姿
1.徹底した地域戦略により、地域に支持されるブランドであること
2.地域を基盤とした育成型クラブであること
3.世界水準のスタジアムを拠点とすること
4.世界に挑む強いクラブであり続けること
5.アントラーズファミリーと夢を共有し続けること

5つの目指すべき姿への重点項目
1.スタジアムの多様化
2.選手育成システムの強化
3.新しいパートナーシップの構築

※鹿島アントラーズ公式HPより抜粋

地道な育成活動

 選手育成に関する目標としてレギュラー格の選手を15人とした場合、育成システムから5、6人を輩出したいと思っています。クラブのDNAを持った選手が活躍する状況を作り、クラブを象徴する選手を育成システムから生み出したいと考えています。それは安定した強さを保つということだけでなく、選手を獲得するにはお金がかかりますので、支出を抑制するためでもあります。クラブの強さと人気を維持するには、選手を育てなければなりません。

 茨城県には人口が集中している都市がありません。そのため、県内外に14拠点の出先を持って育成をしています。遠いところは片道2時間半をかけて練習場に行っています。育成の規模を大きくしないと毎年プロの選手を育てることができないからです。11年にはつくばにアカデミーを作り、子どもたちが多く呼べる環境を整備することができました。現在、つくばのアカデミーでは1000人以上の子どもたちが活動しています。また、営利活動としてフットサルコートも持っています。

 このような育成に関する活動をやり続けて、20年にはこの1000人が所属するアカデミーからプロ選手が1人出てくるだろうか、などと考えています。気の遠くなるような話ですが、地道に続けていかなければなりません。

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