侍ジャパン首脳陣よ、もっと積極的チャレンジを=佐野慈紀氏が解説

構成:スポーツナビ

先発・田中は初球から勝負するスタイルを

 先発の田中投手は前回の登板、今日の登板を見ても、先に自分のスタイルを求め過ぎて失敗している。だから国際試合ということを考えて、自分は相手のことを知らないけど、相手も自分のこと知らないと思って、自分のスタイルというよりも、最初から球数制限があるわけですし、自分で初球から勝負するというスタイルに変えた方がいいのではと思います。変にコントロールしてカウントをそろえてというピッチングにすると、球数が増えますし、球数の制限がある中で自分の力を出せないまま今回のように早い回で変えられると、自分の気持ちの中で大きなフラストレーションがたまると思いますから。

 あす以降の阿部選手に関しては試合の展開によっては後半に出るか、または相川選手、炭谷選手に任せるというのも選択だと思う。無理して第2ラウンド、決勝ラウンドに負担がかかるのなら、第1ラウンドは慎重にやってほしいですね。本人はヒーローインタビューで「完ぺき」と言っていたが、完ぺきならもっと打球を上げられると思いますからね。でもバッティングはかなり期待できるんで、後はコンディショニングと相談しながらになると思います。3連覇へ向けて頼りにしたいですからね。

個々の力よりもチームとしての総合力を大切に

 あす3日の中国戦に向けてですが、今日結果が出なかった選手、出た選手それぞれいますけど、やっぱり野球は何があるか分からないということで、選手もベンチもかなり痛感したと思います。でも、みんな能力があって集まってるわけですから、今後は個々の力よりもチームとしての戦い方を考えてプレーしていけば、もっともっと楽に勝てると思いますね。

 また中国戦の先発を予定している前田健太投手ですが、中国の練習試合を見ても、ブラジルよりも大味な野球をする印象がある。積極的に振ってくるでしょうけど、きょうのブラジルのように自分のストライクゾーンで振りにいくというより、意外に自分の打てるところを選択して振ってくる印象を受けるので、前田投手がしっかりコントロールしていけば大丈夫だと思います。あとは他にもいいピッチャーがいるわけですし、どうかな?と思ったらどんどん投手をつぎ込んでいけばいい。きょうはエース級のピッチャーで3点取られたのがどうなんだ?というところですが、あすはビシッと抑えてほしいですね。しかし本当に良かった。前半まではどうしようかなと思いましたから。
■佐野慈紀(さの・しげき)

近鉄、中日などで主に中継ぎとして活躍。米独立リーグなどでプレーし、振りかぶった際に帽子を飛ばす「必殺てかてか投法(ぴっかり)」で場内を湧かせました。現在は野球解説者としてご活躍中です

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