福田力、真価を問われるマカオ決戦へ=11.10UFC

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マカオ大会へ向け、あえて米国AKAでキャンプに臨んだ福田 【Zuffa LLC via Getty Images】

 11月10日の試合を日本からあまり遠くないマカオで戦うことは、UFCミドル級のファイターである福田力にとっては絶好の機会だと思うかもしれない。オーストラリアやアメリカで戦う際に悩まされる、長旅による疲れを回避できるからだ。

 ところが、東京在住の福田は10日のトム・デブラス戦に向け、日本を離れる決断を下した。すでに5年以上の付き合いがある北カリフォルニアのAKA(アメリカンキックボクシングアカデミー)でキャンプを行うことを決定したのだ。

■より良いファイターになるため米国AKAへ

 福田は「AKAは最高のトレーニング機関で、僕にとって最高のパートナーとコーチがいます。UFCで戦うので、試合に向けて最大限の努力をすることは義務だと思っています」とコメントしている。

 UFCでのキャリアを1勝2敗でスタートした福田にとって、デブラスとの一戦は非常に重要な試合となる。そんな対決を前にアメリカでキャンプをするのは、本当に適切なタイミングだったと言えるだろうか? 日本でトレーニングする方が楽なのでは? しかし、福田の見方は違った。

「日本ではジム間の移動時間や適切なトレーニング相手を探すのに、余計な時間をくってしまう。東京の満員電車で移動するのは大変ですし、多くの時間と労力を要しますしね。でも、AKAでは一カ所で集中することができるし、練習に必要な場所も十分にある。パートナーもいますし。それに、同じ階級の様々なタイプの選手と戦うことができます」と語っている。

 31歳の福田にとって、ミドル級のトップを狙うのであれば、リスクをとるタイミングは今しかないと言える。それと同時に、家族や友人とこそ離れ離れになるものの、AKAのメンバーと友情を育む上ではまたとない機会となるだろう。

 福田は「家族や友人と離れることは、喧噪から逃れ集中できるという点ではいいけど、寂しい部分もありますね。でも、より良いパフォーマンスを見せるため、より良いファイターになるためにはそれも必要なことです。僕は今、ジョン・フィッチの家に住んでいて、ジョンと奥さん、そしてAKAのメンバーにはいろいろと助けられています。本当に感謝してます」と語っている。

数年の内にUFCのチャンピオンになる

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 UFCで1勝2敗の福田にとって、4試合目は真価の問われる一戦となる。福田の初の敗戦となったニック・リング戦は2011年最悪の判定の1つとされており、彼は敗北にふさわしくなかった。福田は第2戦ではスティーブ・キャントウェルを相手に圧倒的な勝利を収めている。そして、コンスタンティノス・フィリッポウ戦では本調子にはほど遠かった。戦績に新たな惜敗が一つ加わるより、白星が加わった方がいいのは説明するまでもない。
「今のところ、これまで経験したことのないようなプレッシャーはありませんね。前回よりもスキルが向上してると感じているし、試合が待ちきれません」

 対戦相手のデブラスはこの一戦でミドル級デビューを果たす。アグレッシブな両者の一戦は見どころ十分な試合となるだろう。

 なお、穏やかで試合前の舌戦とは無縁な福田にとって、対戦相手に敬意を払われることは珍しいことではない。
「デブラスが僕のハードワークを評価してくれているのは、とても光栄なことです。僕も彼のことをリスペクトしている。デブラスはライトヘビー級からミドル級に転向してきた選手で、フィジカル的には僕を上回ります。それにグラウンドでも強い。ヒカルド・アルメイダに師事していて、柔術も黒帯です。リング・オブ・コンバットではライトヘビー級とヘビー級でタイトルも獲っている。力のあるファイターです」とデブラスについてコメントしてる。

 謙虚な福田だが、最後には野心をのぞかせる一幕も。「今現在のUFCミドル級において、自分のランクが低いことは理解しています。でも、数年の内にUFCのチャンピオンになる自信はあります。まずは、マカオで必ず勝利したい。そして2013年を飛躍の年にしたいですね」と必勝を誓った。

Text by Thomas Gerbasi
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