『グラップラー刃牙』作者・板垣氏が岡見を直撃=UFCマカオ特別対談

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グラップラー刃牙シリーズの作者・板垣恵介氏が、UFCファイター岡見勇信のトレーニングを見て、存分に語り勝った 【(c)MMAPLANET】

 11月10日(土・現地時間)の「UFC MACAO」開催に際し、UFC.COM×UFCモバイル×sportsnavi×MMAPLANETのコラボレーション企画を、この1カ月間行ってきた。そんなコラボ企画も、「UFC MACAO」ウィークまで1週間を切り、最終章へ。

 ここでは『グラップラー刃牙』シリーズで格闘技ファンの間でも高い人気を誇る漫画家・板垣恵介氏と、アジア人最強UFCファイターの岡見勇信のスペシャル対談を4回に渡り、お届けします。

 刃牙シリーズを通して、最強を求め続けてきた板垣氏とUFCで最強を目指す岡見、他で聞くことができない深いUFC談義、第1回は岡見のトレーニングを見学した板垣氏の感想と、ケージレスリング&減量について。

(UFC.COM×UFCモバイル×スポーツナビ×MMAPLANET)

『刃牙』作者が見たリアルな練習風景とは

UFC MACAOに出場するキム・ドンヒョンが来日し、出稽古を行なっていた。アジア最強UFCファイター・コンビのスパーを眺める板垣氏 【(c)MMAPLANET】

――8月に20年以上に及ぶ、『グラップラー刃牙』シリーズの連載を終えた漫画家の板垣恵介先生に、岡見勇信選手の練習を見学してもらいました。板垣さんは本格的なMMAの練習を見たのは、初めだったということですが、どのような印象を持たれましたか?

板垣 自分がどれだけ理解できていないのか――それが、まず理解できていない。だから、少し体験させてもらって分かった部分もあるけど、練習に含まれる意味合いの10分の1も分からず、見ていたんだろうと……。

――主にケージレスリングのスパーを見学していただいたのですが、UFCの中継を見られる際に、ケージというものを意識されていたのでしょうか?

板垣 UFCに関しては、第1回大会が行われた1993年から、その推移を見てきたので、金網の使い方、利用の仕方があるのは随分と前から気付いてはいましたよ。そのなかで強い選手っていうのは、皆が皆、立ち上がる力、立つ力がすごいんだなって思うようになりましたね。

岡見 そうですよね。

板垣 寝かされない技術、壁際の相撲っていうのかな。なかなか手すらつかせない。今日も練習を見せていただいて、『ああ、こういう風にやっているんだ』って。

――UFC有数の壁際で攻めの強さをみせる岡見選手と、倒されない技術を持つキム・ドンヒョン選手の練習は、世界最高峰の壁レスリングのスパーといっても過言でないと思います

岡見 ドンヒョンはバランスが良いですね。彼は他の人間と違う体の使い方をする。あのバランス感覚は、彼独特のもので。今日は疲れが溜まっているから、最後は自分が攻めるような形になったのですが、なかなか本来はあの形には持ち込ませないです。本当にすさまじいバランス感覚の持ち主です。

板垣 随分と体格が違って見えたなァ。

UFCファイターの減量事情に興味津々

練習後にキム・ドンヒョンを交え記念撮影 【(c)MMAPLANET】

――ドンヒョンは試合が近いので、もう絞れてきているのでしょうか

岡見 でも、まだ88キロぐらいあるって言っていました(笑)。

板垣 えぇ、そんなにあるの?  今日の岡見選手は?

岡見 自分が99キロぐらいですね。

板垣 10キロの差には見えなかったなぁ。ただ、岡見選手も試合のときとは、体が違うなっていう印象は持ちましたよ。99キロっていったら、普段と戦っているときは全然体重が違うんだね(笑)。

――計量の時と比較すると、16キロ違うわけですよね

岡見 試合当日だと、今日より8キロほど軽い感じですかね。

板垣 いつも思うんだけど、それだけ体重を戻して、元の体力に戻るものなのかな?

岡見 僕の場合は7キロ戻すことを目標していて、ほとんど水で落しているので問題ないですね。今は脂が残っている状態で、その脂を2カ月ぐらい掛けて落とし、最後に水抜きをしてリミットまで落しているんです。できるだけ筋肉は落ちないようにしているので、そういう意味ではリカバリーして、体重が戻れば体力も元に戻っていますね。

公開計量時の岡見。上に掲載した写真からかなり細くなっていることが分かる 【(c)MMAPLANET】

板垣 でも、例え1日でも水分の抜いての時間はけっこう長いでしょ? ノドの渇きってすごいでしょ。

岡見 それは我慢するしかないっていうか……。でも、それも経験上分かっているので、我慢はできますね。そこで我慢できなくて水を飲んでしまうと、その分落さないといけなくなるので、その苦痛の方が怖いです(笑)。

板垣 計量を終えると、まず何を飲むの?

岡見 すぐさまコーラとか飲みたいんですけど、体のことを考えて常温の水を摂りますね。

板垣 本当は一番美味しくないものなのに、その時は美味しいんだろうねェ。

岡見 その時は美味しいです。ホントはキンキンに冷えたモノが飲みたいですけど、それも体に良くないので。まずは体を温めて、そこから冷たい飲み物を飲むようにしています。リカバリー・ドリンクっていうのがあるんですけど。

板垣 自分のドリンクがあるんだ。

岡見 いえ、自分専用のモノではなくて、赤ん坊の脱水症状を防ぐ電解質飲料水を飲むようにしています。

板垣 ポカリスエット的なもの?

岡見 米国ではペディアライトと呼ばれているのですが、日本ではOS−1って言われていたかと思います。

板垣 カロリーが高いの、それは?

――市販のスポーツドリンクなどは、糖分の量がソディウム(=塩化ナトリウム)の何倍も入っていて、逆に体から水分を奪い取ってしまうので、ソディウムの比率が高く、体のなかで水分を作るような作用を持っている飲み物ですね

板垣 そうやって、無理なく体を戻していくんだ。それで、今日の体と試合の映像で見る体は違って見えるんですね。

岡見 今日の体は脂が残っているので、試合の時の方が今日より動けます。体も軽くなって、よりスタミナと瞬発力もある。試合の時の方が、今よりも調子が良いはずです。

板垣 脂が取れている方が、動けるの? 脂肪ってエネルギーだと思ってたよ。

岡見 もちろん、エネルギーにもなるのですが、今は脂肪がつき過ぎている状態なんです。今の段階だとタンパク質と、脂も多めに摂っているので、今よりも落した方が調子は良くなります。今の段階だとまだ気にしていないですが、試合が近くなると脂は落していきます。

(この項続く)
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