sportsnavi

閃光復活エイシンフラッシュ! 殊勲ミルコ、両陛下に最敬礼=天皇賞・秋
最強世代のダービー馬、2年5カ月ぶりの豪脚V
エイシンフラッシュが復活V、騎乗したデムーロは天皇皇后両陛下に最敬礼
エイシンフラッシュが復活V、騎乗したデムーロは天皇皇后両陛下に最敬礼【写真:中原義史】

 JRA秋の中距離王決定戦、第146回GI天皇賞・秋が28日、天皇皇后両陛下がご臨席になる中、東京競馬場2000メートル芝で行われ、ミルコ・デムーロ騎乗の5番人気エイシンフラッシュ(牡5=栗東・藤原英厩舎、父King’s Best)が優勝。中団のイン追走からそのままポッカリと空いた最内を一気に突き抜け、3歳時に頂点を極めた2010年5月の日本ダービー以来、約2年5カ月ぶりの復活勝利を挙げた。良馬場の勝ちタイムは1分57秒3。


 エイシンフラッシュは今回の勝利で通算20戦5勝(海外1戦0勝含む)、JRA重賞は2010年GI日本ダービー、同年GIII京成杯に続く3勝目。騎乗したデムーロ、同馬を管理する藤原英昭調教師ともに天皇賞・秋は初制覇となる。


 一方、半馬身差の2着には蛯名正義騎乗の1番人気フェノーメノ(牡3=美浦・戸田厩舎)、さらに1馬身1/4差の3着にはイオリッツ・メンディザバル騎乗の2番人気ルーラーシップ(牡5=栗東・角居厩舎)。また、無敗の天皇賞制覇が期待された秋山真一郎騎乗の3番人気カレンブラックヒル(牡3=栗東・平田厩舎)は5着に敗れた。

「I LOVE JAPAN。日本のみなさんを愛しています」

歓喜のウイニングラン、スタンドに向けて両手でハートマークを作り日本のファンへ感謝を示した
歓喜のウイニングラン、スタンドに向けて両手でハートマークを作り日本のファンへ感謝を示した【写真:中原義史】

 喜びをかみしめたウイニングランの後、デムーロはターフ上でサッと下馬。ヘルメットを脱ぐと、7年ぶりに東京競馬場で天皇賞をご覧になられた天皇皇后両陛下に対し、ひざまずいて最敬礼を行った。その前にはスタンドのファンに向けて、両手でハートマークも作ってみせた。


「I LOVE JAPAN。日本のみなさんを愛しています。特別な日に勝つことができて、本当にうれしい。僕の日本に対する感謝の気持ちを表しました」


 1999年の初来日から13年。2003年にネオユニヴァースで皐月賞・日本ダービーの二冠を制し、2011年の震災直後にはネオユニヴァースの仔・ヴィクトワールピサでドバイワールドカップ制覇、涙とともに日本に希望のニュースを届けた。もはや日本人ジョッキーと言っても大げさではないくらい、日本の競馬ファンから愛されるイタリア人ジョッキーが、この最敬礼の瞬間は荘厳なナイトに映ったファンも多いだろう。それほどまでに感動的なシーンだった。

調教師もしびれた絶好ポジション、イン強襲突き抜けた

ぽっかりと空いた最内1頭分のスペースに突っ込み豪脚炸裂!
ぽっかりと空いた最内1頭分のスペースに突っ込み豪脚炸裂!【写真:中原義史】

 レースは予想通りシルポートが10馬身以上離す大逃げのハイペースの中、エイシンフラッシュは12番ゲートからスッとインに入り、中団よりやや後ろからの追走。このポジション取りについて、手放しで絶賛したのが藤原英調教師だ。

「この枠順をどう使えばエイシンフラッシュが最大限に力を発揮できるか、この点に関してはミルコと長い時間かけて話し合いました。まさにその通りの位置からの競馬になり、あれは凄かったですね。シビれました」


 最内の経済コースをスルスルと進出し、直線に入ると一方では前方のシルポートが脚をなくして脱落。普通ならこの失速してくる先行馬が壁になる危険性もある最内コースなのだが、「運も味方した。ビクトリーロードでした」とデムーロ。ポッカリと空いた内ラチ沿いスレスレ1頭分のスペースへ迷わず突っ込み、2年前のダービーを思い出させる閃光のような末脚を爆発させた。上がり3F33秒1はメンバー最速タイ。一気に突き抜け、勢いある3歳馬、同期のライバルをまとめてねじ伏せた。


「馬の力を信じていました。レース中はとにかくリラックスして走らせようと思っていたんですが、思い通りのレースができましたね。直線もすごくいい反応を見せてくれました」

待ってろ三冠馬、最強の称号かけJC・有馬で勝負だ

順調なら今後はJC、有馬記念へ――三冠馬、三冠牝馬と勝負だ!
順調なら今後はJC、有馬記念へ――三冠馬、三冠牝馬と勝負だ!【写真:中原義史】

 初騎乗とは思えない息の合ったコンビぶりで、秋競馬最高峰の栄誉を手にしたデムーロとエイシンフラッシュ。レースでもスムーズに人馬のコンタクトが取れるよう、ここ2週の稽古でデムーロを乗せ続けた藤原英調教師の手腕も見逃せない。

「幸いミルコは日本語が通じますから(笑)、エイシンフラッシュの感触を確かめてもらいながら、セールスポイントを伝えてきました。馬自身の出来に関しても、これまではどこがピークが分からない部分もあったんですが、きょうだけはピークであると確信できる出来でしたからね」

 馬体重マイナス8キロも予定通りの絞り方で、“完ぺき”だったとトレーナー。最強世代のダービー馬の底力を、ついに思い出の舞台・府中で復活させたのだ。


 今後のローテーションについて、藤原英調教師はオーナーと相談してからと、と前置きしつつも、「王道のジャパンカップ、有馬記念へ」と明言。ただし、ジャパンカップに関しては短期免許の関係で「その週だけ免許をもらっていないんです。JRAに特別に騎乗できないか、お願いしたいです」とデムーロが明かしたように、調整が必要になりそうだ。

 いずれにせよ、劇的に復活した最強世代のダービー馬。1つ年下の三冠馬、2つ年下の三冠牝馬に主役を奪われたままでは当然すませない。来たるジャパンカップ(11月25日、東京2400メートル芝)、有馬記念(12月23日、中山競馬場2500メートル芝)、真の最強の称号をかけ、いざ勝負だ。

スポーツナビ

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント