UFCマカオ大会メーン フランクリンvs.リー見所
メインはリッチ・フランリン×カン・リー、五味隆典、漆谷康宏、福田力、水垣偉弥、さらに韓国からキム・ドンヒョンが出場する今大会、その見所とは 【(C) 2012 Zuffa. LLC.】
MMAPLANET執筆陣、そして「ひかりTV UFC中継」解説陣でもある高島学&中村拓己の両氏が5回に渡り、見所を語ってもらった。第3弾はメイン出場のリッチ・フランクリン、そしてアジアのケージ大会からUFC出場というステップアップ方法について。(司会:加治木啓/UFCモバイル)
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フランクリンはもっと日本でも評価されていい
右ジャブで距離を制することができるリッチ・フランクリン。サウスポーのカン・リーを相手に、どのような攻略方法を見せるか 【(C) 2012 Zuffa. LLC.】
だから、彼のスタイルは純粋な散打スタイルでもない。いずれにしても、リッチ・フランクリンの右ジャブに対し、蹴りでどのように対抗するのか楽しみです。ローで出足を止めるというのではなく、サイドキックで右手前の選手を止めることができるのか。
中村 フランクリンはサウスポーの利点を生かした打撃だし、カン・リーもその良さを出してきた。それがサウスポー同士でどのような攻めになるのか。どちらかがスイッチするかもしれないし、そういった意味でMMAの概念が変わる試合になるかもしれない。
リッチ・フランクリンって、もっと評価されて良い選手だと思うんです。
高島 それは日本で――ということで、米国では十分に評価されているのではないでしょうか。
中村 あぁ、そうですよね。相当、レベルは高いと思います。ヴァンダレイ・シウバ戦の戦い方なんて素晴らしかったですから。
アジアのケージ大会から次々とUFCファイターが
フィリピンで行われたPXC。ハワイアンのハリス・サルミエントとケージ際の攻防を繰り広げるKTT所属のハン・スンハー。アジアのケージ大会で育つ選手が、これからUFC出場へのステップボードとなるのか 【(C) 2012 Zuffa. LLC.】
中村 イム・ヒョンギュということではなく、韓国からそのグアムやフィリピンで大会を開いているPXC、パシフィック・エクストリーム・コンバットのミドル王者イム・ヒョンギュ、韓国のロードFCからバンタム級王者のカン・ギョンホが出場するという事実は、日本のMMA界は考えないといけないことだと思います。
アジアのケージ・プロモーションで結果を残した選手、そのうちの1人はメインカードに入っている。UFCの首脳からすれば、日本のリングで勝っている選手よりも、ケージで勝っている選手の方が登用しやすいという表れでもあるのであれば、本当に考えないといけないです。
高島 韓国人選手の数は、日本人選手の契約者数と比較して、まだ少ない。そして4人も契約下にあるファイターが出場するので、新たなに契約を結ぶことが難しいという状況もあったでしょうね。
だから、このマカオ大会が成功し、フィリピンなどにも進出できれば日本で1度、他に2度ほどUFCがアジアで開催されるようになれば、日本人にも契約のチャンスが広がるという見方もできます。
と同時に、北米で米国やブラジル人と対戦する前にアジアでアジア人ファイター相手に勝ち上がる必要が出て来るなら、いよいよ世界への道のりが険しくなりますよね。
中村さんはPXCをフィリピンで取材していますが、その時にイム・ヒョンギュと同門のコリアン・トップチーム(KTT)の選手が出場していたと思います。実はKTTでは韓国内の問題からか、RFCには出場していないのですよね。それでもPXCからUFC出場を決めてしまったということで密かに注目しています。
中村 あの大会に出場していた選手のレベルがどの程度かという話は抜きにして、KTTや韓国勢はケージレスリングの攻防を見せていました。ケージレスリングを頭に入れて、試合を組み立てていました。テイクダウンされても金網まで逃げて立つ、金網を使って倒す、倒されないという攻防を意識していました。
アジアのMMA大会を見ていて、他の国の選手がリングでもケージでも変わりない試合をしているケースが多々見られるなかで、韓国人選手はケージをうまく使っている――そういう印象が残っています
イム・ヒョンギュはPXCで4連勝して今回の出場となったので、ケージでもストレスなく戦えると思います。
――対するマルセロ・ギマリャエスは7月のFUEL04でUFCデビューを果たし、白星を挙げています
高島 その試合、会場で見たのですがパンチを振り回しているイメージが強いファイターでした。
中村 僕も昔のブラジル人のフルパワーでパンチを振るい、そこから寝技につなげるというスタイルだったと思います。
高島 そして疲れる(苦笑)。オープニングファイトに出ている二人よりも、日本人選手の方がレベルが高いです。
(この項、続く)
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