日本を愛してやまない外国人選手たち=杉山愛コラム「愛’s EYE」
人気の理由は食べ物、世界でも大人気の日本食
ダブルスパートナーだったハンチュコバ(左)は大の日本通。日本好きな選手は実はとても多いのです 【写真:Natsuki Sakai/アフロ】
おすしではマグロやサーモンが一番人気でしょうね。うなぎも好きな選手が多いんです。あの甘いたれが好きみたいですね。(ダブルスパートナーだった)ダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)やカタリナ・スレボトニク(スロベニア)は、海外でもよく一緒に日本食を食べていました。焼き鳥とかきんぴらごぼうとか、日本でも定番のものを食べます。
日本に来たときの楽しみ方は、やはり秋葉原ですね。私はあまり行ったことがないので、私より、よく知っていたりするんですよ。地下鉄に乗って秋葉原に行く選手もいて、すごいなと思います。
日本の良さについて話してくれる選手もいます。ある選手がタクシーに財布を忘れたのですが、海外ならほぼ間違いなく、戻ってきませんよね。でも、「ホテルに届いてたのよ」と言って本当にびっくりしていました。
あとは小物、例えばiPhoneのケースのように、凝ったディテールのものに人気があります。海外にはなかなかないし、好きですね、女子は。他にはネイルアートとか。ああいう手先の器用な仕事は日本人の得意分野ですね。
大会運営にも日本人らしい気配りが
今年の東レPPOは、ランキング上位20人のうち19人がエントリーしていました。こんなに上位選手がそろう大会は、そうはありません。WTAの上位選手には、東レのようなグレードの高い大会には出場義務がありますが、とは言っても、過去に楽しい時間を過ごしていないと、なかなか戻ってきてくれないと思います。その意味で、東レは選手が出たいと思っている大会なのだと思います。
ストーサーのツアー初優勝は大阪で行われたHPオープンでした。ただ、彼女が日本びいきになったのは、もっと前からで、ITFサーキットの小さな大会に出ているころからです。日本人には良い人が多いし、大会のオーガナイズがちゃんとしているから好き、と言っていました。
大会運営にも、細かい気配りという、日本人の良さが表れているのです。そこに目が届く国民性なのでしょうね。ただ、私たちは、それに慣れてしまうと、海外での対応に戸惑うことがよくあります。また、日本選手にとっては、日本の大会の居心地がよくなってしまうと危険です。これで十分楽しいと思うようになり、グランドスラムを目指すのではなく、なんとなく大会を回っているということになりかねないからです。そこはあくまでも通過点、ポイントを取ってランキングを上げるための大会と考えて、大きなところを見据えてほしいですね。
<了>
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