取材記者らが語る「日本ラグビー今季の展望」
来年6月に日本代表がウェールズと2試合
村上氏「2001年には同じ時期にサントリーがウェールズに勝って歴史的金星を手にしていますね」
吉田氏「今、トップイーストの三菱重工相模原に来ているシェーン・ウィリアムズに『過去にフィジーやトンガなど暑いところで試合をしてきたと思うけど、どこがもっとも暑かった?』と聞いたら、『2001年の日本遠征だ』と即答してきました」
村上氏「ウィリアムスは『35度、湿度90%はあったはずだ』って言ってましたね。さすがにそこまでは暑くなかったはずですが(笑)。
ウェールズはブリティッシュライオンズ(全英代表)の遠征にも選手が選ばれますが、それでも日本には良いメンバーが来ると思います。その強いウェールズに勝って、日本ラグビーを世界に発信したいですね」
稲垣事業委員長「そのためには皆さんの声援が必要なので、ぜひスタジアムを満員にしましょう」
大学生、外国人選手とトップリーグの関わり方は…
――大学生がトップリーグの試合に出場できるルール作りを進めることは?
稲垣事業委員長「十分に考えられます。現在はトップリーグの試合出場条件は『企業が選手を雇用していること』で、外国人選手も契約社員として所属しています。大学生も同じように契約社員になれば出場は可能です。
また、Jリーグは強化指定選手ということで両方の試合に出られるようになっています。そうした形作りはできるので、後は企業と大学がどう考えていくか、話し合っていきたいと思います」
――トップリーグの外国人枠が2人に減ったが、ジャパンの選手は別枠で良いのでは?
稲垣事業委員長「非常に難しいところなんです。以前、『日本代表資格を持つ選手は別枠』というルールにしたのですが、それによって資格を持つ選手の代理人が強気に出て、マネーゲームになってしまったことがありました。元オールブラックスの選手よりも、日本代表になれる選手の方が年俸が高くなるケースが出てきてしまったんです。ラグビーはまだ良い方ですが、野球やサッカーは代理人との戦いが年々激しくなっています。
今はアジア枠があるんですが、ニュージーランドやオーストラリアで育って、国籍はアジアという選手が多く出ています。特にフィリピン国籍でトップリーグに来ている選手を見ると、7人制においては日本にとって脅威になりそうです」
――秩父宮ラグビー場を使い過ぎでは?
稲垣事業委員長「制限はしているんですが、大学とトップリーグ合計で100試合ぐらい。良いスタジアムが近郊にもうひとつ欲しいと思います。Jリーグと一緒に『フットボールスタジアムを作ろう』ということで協力しています。
大学によっては年に一度の秩父宮での試合というケースもありますので、そこは大事にしてあげたいという思いもありますし……。今年から芝のメンテナンスの方法を変えて、できるだけ良い状態に保てるようにしたいと思います」
吉田氏「SBWは去年の試合のビデオを見てパナソニックに入ったので、土のグラウンドで試合をすると思っていたようです。先週の秩父宮でプレーして『思ったより良かった』と言っていました」
村上氏「花園は芝の管理を徹底しています。9月中はグラウンドを使わせないので大学リーグ戦も開幕は10月です。トップリーグも9月には使えません。それだけ、年末の高校ラグビー全国大会で良い状態を保つために調整しているんですね」
稲垣事業委員長「選択肢としては、人工芝にするという方法もあり得ると思います。今は良い人工芝が開発されていて、各チームも人工芝で練習していますから。ただ、天然芝の魅力ももちろんあるので、今後も良い方法を考えていきたいと思います」
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協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会