取材記者らが語る「日本ラグビー今季の展望」

スポーツナビ
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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

ボクサーが驚くSBWの肉体

サンケイスポーツでラグビーを担当している吉田宏氏 【スポーツナビ】

村上氏「今季も大物外国人選手が多く来日していますが、やはり注目はSBW。吉田さんは取材されて、どのような印象をお持ちですか?」

吉田氏「寡黙な人という印象ですね。こちらが質問しなければずっと静かにしていそうな、穏やかな雰囲気です。しかし、札幌でNTTコムに敗れた後はホワイトボードを使って選手に熱くレクチャーしていました。プレーもあの敗戦から火がついて積極的になりました。
 攻撃の選手と思われがちですが、ディフェンスも非常に判断が良く、コンビを組む霜村が『彼の判断で助かっている』と言っていました」

稲垣事業委員長「自分がボールを持って突破をしていくイメージを持っていた方も多いと思いますけど、実際にはかなりテクニックがありますね。普通のパスでもタイミングの取り方が非常にうまいです」

吉田氏「彼はボクシングをしていて、先日、後楽園ホールに日本人選手が出るボクシングの試合を見に行ったんです。ロッカールームで同じ階級の日本人選手に会ったんですが、みんなSBWの体つきを見てびっくりしていましたね。
 現段階では11月にボクシングの試合をする予定なので、ボクシングのコーチを日本に呼んで、ラグビーの後に練習する形になると思います」

村上氏「パナソニックではCTB林も日本代表候補に入りました。彼は非常にパスがうまくて良い選手ですね」

吉田氏「彼は立命館大を出てニュージーランドでプレーしていたんですが、パスがうまくてタックルも良いです。SBWも『林が素晴らしいから、代わりに出ている自分も変なプレーができない』と言っていました」

“天才”のいない帝京は充実 エディーHCが認める天理

ラグビージャーナリストの村上晃一氏が進行を務めた 【スポーツナビ】

村上氏「続いて大学ラグビーはどうでしょうか? 今のところ誰に聞いても『帝京はやはり強い』と言っていますが」

吉田氏「早稲田大は夏合宿の帝京戦にフォーカスしていましたが、そこで0対43と敗れました。帝京の岩出監督はあまり勝ち負けのことは言わないんですが、『今年は勝つ』と言っています。練習を見ていてもパスへの意識が高いですし、相手にしっかり当たるコンタクトの部分は今年も強いです。高校時代のスーパースターはいない中で、天才のいるラグビーはできないから、4年間体をつくって『凡人でもできるラグビー』をつくっています。
 大学リーグ戦では流通経済大がヴァカウタや小沢といった選手が抜けたので少し戦力ダウンしています。ただ、ブレークダウンの部分は残っているので、そうした部分を残しつつ世代交代を進めることになると思います。
 日大は加藤尋久監督の下、スペースをクリエイトすることを意識づけられています。FWは元明治大監督の藤田剛さんが見ていて、東芝ではないですが『親に見せられない練習』をしています」

村上氏「関西では天理大が本当によく走っています。SHは井上(クボタ)が卒業しましたが、高校日本代表だった山本(昌太)という良い選手が出てきました。エディー・ジョーンズ日本代表HCは去年、『一番良いラグビーをしているのは天理』と言っていましたが、今年も良いチームになりそうです。
 ちなみにエディーさんは今季からの試験的ルールの『ラックで審判が声をかけてから5秒以内にボールを出す』について『日本国内では3秒でも良いのではないか』と言っていました。判断のスピードを上げる必要があるから、ということです」

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