幻想的かつ最も厳しいナイトレース=F1 第14戦シンガポールGP見どころ
1年で一番体力的に厳しいコース
シンガポールGPのナイトレースは幻想的だが、ドライバーにとっては体力的に最も厳しい戦いになる 【Getty Images】
市街地コースということもあり、低速コーナーが中心のレイアウトになっている。そのため、高速コーナーを速く駆け抜けるクルマではなく、ブレーキング時の安定性と、低速コーナーからの加速に優れたクルマが勝利へのカギとなる。
また、公道を使ったコースのため、路面のデコボコが多い。このデコボコによってクルマが不安定になってしまうことから、これにうまく対応できる足回りにすることも欠かせない。赤道直下で熱帯に位置するため、湿度と気温が高く、路面のデコボコと合わせ、ドライバーにとっては1年で一番体力的に厳しいコースとも言われる。
シンガポールにしかない幻想的な魅力
雨が降った場合には、路面の水に照明の光が反射する可能性もあると指摘されているが、08年の初開催以来、この問題が実際に起こったことはない。しかし、シンガポールでは毎日のように夕方から夜にかけて雨が降るため、天候には注意が必要だ。
初開催以来、シンガポールGPでは毎年セーフティカーが導入されている。路面がデコボコのためミスを犯しやすいことや、ガードレールに囲まれたコースであることから、ミスがクラッシュに直結しやすく、クラッシュした場合にはそのクルマがコースをふさぐ可能性が高いためだ。
セーフティカーが出動した場合、そのタイミングでピットインするか、しないか、という判断がレースの勝敗を分ける重要なポイントになる。また、もうひとつレース戦略を左右する大きな要素となるタイヤは、最も軟らかい組み合わせであるスーパーソフトとソフトの2種類が持ち込まれる。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴなどが赤、ソフトは黄色で書かれる。決勝では、雨用のタイヤを使わない限り、この2種類のタイヤ両方を使用しなければならないが、今週末は雨のレースになるとの予報も出ている。