幻想的かつ最も厳しいナイトレース=F1 第14戦シンガポールGP見どころ

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1年で一番体力的に厳しいコース

シンガポールGPのナイトレースは幻想的だが、ドライバーにとっては体力的に最も厳しい戦いになる 【Getty Images】

 ヨーロッパでの戦いを終えた2012年F1世界選手権は、今週末の第14戦シンガポールGPを皮切りに、アジア、中東、南北米を転戦し、チャンピオンを決することになる。そのシンガポールGPが行われるのは「マリーナベイ・ストリート・サーキット」。シンガポールの公道を封鎖して作られる、観光名所をつないだような市街地サーキットだ。

 市街地コースということもあり、低速コーナーが中心のレイアウトになっている。そのため、高速コーナーを速く駆け抜けるクルマではなく、ブレーキング時の安定性と、低速コーナーからの加速に優れたクルマが勝利へのカギとなる。

 また、公道を使ったコースのため、路面のデコボコが多い。このデコボコによってクルマが不安定になってしまうことから、これにうまく対応できる足回りにすることも欠かせない。赤道直下で熱帯に位置するため、湿度と気温が高く、路面のデコボコと合わせ、ドライバーにとっては1年で一番体力的に厳しいコースとも言われる。

シンガポールにしかない幻想的な魅力

 シンガポールGPは、F1で唯一のナイトレースとして開催される。夜間のレースであるため、コースは大量の照明によって照らし出され、暗闇の街にコースが光の帯として浮かび上がる。シンガポールにしかない幻想的な魅力と言えるだろう。

 雨が降った場合には、路面の水に照明の光が反射する可能性もあると指摘されているが、08年の初開催以来、この問題が実際に起こったことはない。しかし、シンガポールでは毎日のように夕方から夜にかけて雨が降るため、天候には注意が必要だ。

 初開催以来、シンガポールGPでは毎年セーフティカーが導入されている。路面がデコボコのためミスを犯しやすいことや、ガードレールに囲まれたコースであることから、ミスがクラッシュに直結しやすく、クラッシュした場合にはそのクルマがコースをふさぐ可能性が高いためだ。

 セーフティカーが出動した場合、そのタイミングでピットインするか、しないか、という判断がレースの勝敗を分ける重要なポイントになる。また、もうひとつレース戦略を左右する大きな要素となるタイヤは、最も軟らかい組み合わせであるスーパーソフトとソフトの2種類が持ち込まれる。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴなどが赤、ソフトは黄色で書かれる。決勝では、雨用のタイヤを使わない限り、この2種類のタイヤ両方を使用しなければならないが、今週末は雨のレースになるとの予報も出ている。

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