人気が高いサーキット、タイヤ選択が鍵に=第12戦ベルギーGP見どころ

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攻略が難しいスパ・フランコルシャン

攻略が難しいとされるスパ・フランコルシャン。ドライバー、ファンからも人気の高いサーキットだ 【Getty Images】

 約1カ月の夏休みを過ごしたF1は、今週末の第12戦ベルギーGPからシーズン後半戦が始まる。ベルギーGPの舞台となるのは、スパ・フランコルシャン。以前は全長が14キロ以上ある非常に長いサーキットだったが、数回のコース改修を受け、現在は全長約7キロに短縮された。それでも、ほかのF1サーキットに比べるとコースの全長は長い。

 山の中に作られたサーキットであるため、こう配の変化が激しく、高速コーナーが多いことから、攻略が難しいサーキットとしても知られている。そのため、多くのドライバーが好きなサーキットとしてスパを挙げる。また、高速、中速、そして低速コーナーまでそろっているコースであることから、あらゆる面で性能の高いクルマが強さを発揮する。

 数多くある高速コーナーの中でも、特に有名なのが2コーナーのオー・ルージュ。ヘアピンになっている1コーナーを抜けて坂を下ると、高速で左に曲がりながら今度は壁のような坂を駆け上る。現在のF1マシンでは難易度がやや下がったが、昔から度胸の試されるコーナーとしてファンやドライバーから人気が高いコーナーだ。

追い抜きが多いサーキット

 近年のF1は、オーバーテイクと呼ばれるコース上での追い抜きが少なくなったことが問題視されているが、スパは比較的オーバーテイクが多いコース。最もオーバーテイクのチャンスが大きいのはオー・ルージュを抜け、その先のケメル・ストレートを駆け抜けたところにある5コーナーのレ・コーム。レ・コームの前は長いストレートになっており、このストレートで前車との距離を縮め、レ・コームへのブレーキングで仕掛けるのがセオリーだ。

 2000年には、ミハエル・シューマッハ(現メルセデスAMG)とミカ・ハッキネンがここで激しいバトルを繰り広げ、周回遅れのクルマをはさんで3台が横並びになる状態でのオーバーテイクを披露し、近代F1の名場面とも言われている。このほかにも、最終シケインや、1コーナーも追い抜きのチャンスになることが多い。

 昨年から追い抜き増加を目的に導入されたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を決勝で使える区間も、このケメル・ストレートの途中からレ・コームまでの区間に設定される。

予測不能な「スパ・ウェザー」

 山にあるサーキットのため、天候が急激に変化することもスパの特徴であり、「スパ・ウェザー」として知られている。また、全長7キロにもなる大きなサーキットであることから、サーキットの一部では雨が降り、ほかの区間では路面が乾いているという状態も珍しくない。

 その時々の路面状況に適したタイヤを選択できるか否かによって、タイムを大きく落とすことにもなるため、路面状況をうまく見極めたタイヤ選択が重要になる。しかし、すぐに雨がやんでしまうこともあり、雨用タイヤを装着して速いタイムで走行するのか、ドライタイヤのまま走り続けてタイヤ交換によるタイムロスを回避するのか、雨が降った場合には各陣営とも頭を悩ませ、チームの総合力が試されるコースでもある。

 今回、タイヤサプライヤーのピレリが持ち込むドライタイヤは4種類ある中で最も硬い組み合わせのミディアムとハード。ミディアムはタイヤ側面のロゴが白、ミディアムはロゴが銀になっている。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のタイヤ両方を使用することが義務付けられる。

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