上位進出の鍵は木村の爆発力=元日本代表の大山加奈が解説
上位進出のために木村選手の本来のプレーに期待
上位進出のため、木村の爆発力に期待 【Getty Images】
第一は、1戦目のアルジェリア戦が終わった時も気になった、木村選手の状態です。
これまでの試合を見ていると、ストレートへのスパイクが打ち切れず、無理にクロスへのスパイクで勝負をしてミスをしてしまったり、軟打で逃げるパターンが目立ちます。トスのスピードに合わせることを意識するあまり、タイミングが取り切れていないのか、助走も十分に取れていません。
とはいえ、スパイクが決まらないことに、おそらく木村選手自身もストレスを抱えているはずですが、今大会はサーブレシーブが非常に安定しているのは、さすがと言うべきところです。調子は悪くないはずです。
これまでも苦しい場面では、木村選手の爆発的な攻撃力、チームをけん引する力が起爆剤となり、日本を勝利に導いてきました。準々決勝以降は、1次リーグとは比べものにならない厳しい戦いとなりますが、その状況でこそ「何とかしてくれる」と思わせてくれるのが木村選手です。考え過ぎずに、思い切った攻撃を仕掛けてくれれば、きっと本来の木村選手らしいプレーが見られると信じています。
準々決勝で対戦するのは、激戦を勝ち抜いてきたチームばかりです。確かに厳しい戦いとなりますが、今まで積み重ねてきた日本の戦い方を徹底できれば、どのチームも勝てない相手ではありません。
たとえ1本で攻撃が決まらなくても、泥臭く、1点でも積み重ねて勝機を探すのが日本のスタイルです。敗れはしましたが、ロシア戦のようにサーブで徹底的に攻めて、ブロックの狙いを絞り、はじかれないようにボールをつないでコツコツとチャンスを作る。
月並みな言い方かもしれませんが、ここまで来たらやるしかない。気持ちと気迫のこもった、見る人を引き付けるような試合ができれば、きっと勝機はあるはずです。
<了>
大山加奈
【大山加奈】
その年に初めて全日本に選出されると、同じく高校生でメンバーに選出されていた栗原恵(現:岡山シーガルズ)とともに「メグカナ」コンビとして人気を博す。高校卒業後は東レに入社。ワールドカップ、アテネ五輪に出場する。2007年ごろから椎間板ヘルニアなどのケガに苦しみ、10年に26歳で現役を引退。日本バレーボール機構への出向を経て、現在は東レに広報担当として勤務するほか、バレーの指導、普及活動にも携わっている。