前田日明が小比類巻の総合格闘技転向に太鼓判=リングス

長谷川亮

総合格闘技に転向する小比類巻がオープンフィンガーグローブ姿を披露 【長谷川亮】

 10年ぶりに復活を果たすリングスの「RINGS〜reincarnation 再臨〜」(3月9日、東京・後楽園ホール)で総合格闘技デビューが決まった元K−1戦士・小比類巻太信が24日、東京・ゴールドジム東中野で公開練習を行った。

三角絞め、スリーパーでタップ奪う

テイクダウンされた小比類巻だが三角絞めでタップ奪う 【長谷川亮】

 オープンフィンガーグローブをつけ1Rのスパーを公開した小比類巻は重心を低く落として構え、パートナーが組みつきに来ても首相撲の要領で受け止めてから回し、テークダウンを許さない。その上でコンパクトかつ速いインローでけん制し、相手を離れた間合いに留まらせると、ミドル、ハイキックと決めていく。
 一度テークダウンを許した場面もあった小比類巻だが慌てた様子は見せず、まずクローズガードで押さえ、そこからすぐに三角絞めへつなぎタップを奪った。
 さらにこれで終わらず、相手のタックルを切り、そのまま相手が四つん這いになっているのを見るとすぐさまバックへつき、スリーパーでもタップを奪取。総合格闘家・小比類巻としての片鱗を垣間見せた。

理想はジョゼ・アルドとジョン・ジョーンズ

バックへつきスリーパーでもタップを奪取 【長谷川亮】

 現在ROAD FCミドル級王者として活躍する大山峻護に師事している小比類巻は、理想の選手としてジョゼ・アルドとジョン・ジョーンズ、UFC2大王者の名前をあげる。
「打撃を使って組ませないやり方が参考になりました」と言い、「キック時代は首相撲とヒジ・ヒザの選手で、それがすごく活かせるのを感じました。総合の選手はタックルとかが強いですが、首相撲がすごく武器になると思います」と話し、課題となる組み合いの展開では首相撲に手応えを感じているようだった。

前田代表は「徐々に覚えていけばいい」とアドバイス

小比類巻の公開練習を見守った大山峻護コーチ(左)と前田代表(右) 【長谷川亮】

 小比類巻のコーチとしてこの日の様子を見守った大山峻護は、「成長していくスピードが尋常じゃない。どこまですごい選手になるか楽しみ」と手放しで絶賛。「やっていて日に日に強くなるし、僕も怖いぐらい。反射神経が全然違うしフィジカルも負けてない。理解力がすごくあって教えやすかった」と続け、総合デビューが2週間後に迫ったが、何ら心配していない様子だった。

 同じくこの日の練習を見守ったリングス前田日明代表は「(組んでの展開は)首相撲の感覚でやっていてすごい。接近戦でのヒザの鋭さはさすが。空手もベースにあって、腰も落ちていていい」と小比類巻を評価。そして「気をつけるのは押し込まれて足をすくわれるのだけ。今は寝技は付き合わず、徐々に覚えていけばいい」とアドバイスも送っていた。

 過去、多くの打撃格闘家が総合転向に際しては苦闘を余儀なくされてきたが、小比類巻ははたして。
 前田・大山2人がそろって太鼓判を押すポテンシャルの爆発に期待と注目が集まる。

■「RINGS〜reincarnation 再臨〜」
3月9日(金)東京・後楽園ホール 開始18:00

<新リングスルール/5分2R/77kg契約>
小比類巻太信(小比類巻道場)
ベン・アボット(リングスUK)

<新リングスルール/5分2R/62kg契約>
伊藤健一(フリー)
ジャレット・オーウェン(リングス・オーストラリア)

<新リングスルール/5分2R/73kg契約>
伊澤寿人(和神会/RINGS)
クラッド・ピターリ(ロシア)

<新リングスルール/5分2R/65kg契約>
清水俊裕(宇留野道場)
幕大輔(マッハ道場/RINGS)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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