「特定の選手」を推すようになったきっかけは「note」【B MY HERO!】
今シーズンもベルテックス静岡でプレーする橋本尚明選手 【(C) きんきんきん。】
Bリーグは2024年で9シーズン目となりますが、私もBリーグファン歴が9年目となりました。この間、私のBリーグの楽しみ方は年々バリエーションが豊かになっています。
最初はボランティアに参加していましたが、次第に応援するチームのアウェー遠征に出かけるようになり、Bリーグを見て気になることをまとめてSNSで発表するように。最近では中継の実況・解説にも注目していて、Xでは実況・解説を担当される方をコメント付きで紹介するポストを投稿しています。
Bリーグファンを続けていく過程では、特定の選手にフォーカスして応援するという楽しみ方も覚えました。
実はある選手をしっかりめに応援してます
今回は、その私にとっての「特定の選手」である、ベルテックス静岡の橋本尚明選手について応援するようになったきっかけ、橋本選手が昨シーズンから所属するベルテックス静岡についてできればと思います。
橋本選手は2015年からプロ選手としてプレー。彼の存在自体は早いうちから知っていましたし、所属しているチームの試合を現地で見たこともあります。
今回このコラムを書くにあたり当時撮った写真を見返してみたところ、富山グラウジーズに所属していた2018年当時の橋本選手の姿を見つけました。
2018年、富山グラウジーズ時代の橋本選手 【(C) きんきんきん。】
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そんな私が橋本選手を気にするようになったのは、2021年に橋本選手が始められたnoteがキッカケ。
2021年の私は精神的に落ち込む時期が続きバスケを見る気力も失いつつあり、原因の分からない微熱が2週間続いたことも。新しいシーズンが始まってようやく元気を取り戻しつつあった中、ふとしたことでnoteの存在を知りました。
noteでは橋本選手がこれまでに経験してきたエピソードが綴られており、読んでいくにつれて、それまで「なんとなく知っている選手のひとり」でしかなかった橋本選手に関心を寄せるように(noteの記事は今でも読めます)。
当時橋本選手は、島根スサノオマジックに所属していた2020年に足の負傷で長期離脱し、島根での復帰は実現しないままB2の福島ファイヤーボンズへ期限付き移籍。シーズン開幕後にようやく復帰を果たし、プレータイムを増やしつつあるという状況でした。
背負ってきたものも抱えていた試練のスケールも比べものにはなりませんが、その背景やnoteで語られていたエピソードに通ずる何かを、どこか自分の状況と重ねていたのかもしれません。
次第に「現地で彼のことを見てみたい」と思うようになり、11月のある日、ファイヤーボンズのホームゲームを見るために福島県へ。翌月には彼の地元である愛媛県で行われたアウェーゲームも現地で観戦しました。
福島ファイヤーボンズでは2022−23シーズンまでプレー 【(C) きんきんきん。】
今季も橋本尚明選手を追ってホームの静岡へ
橋本選手が昨シーズンから所属しているベルテックス静岡は、2019年B3リーグに参入し、昨シーズンはB2初年度にしてプレーオフに進出。
今シーズンは「登」をスローガンに掲げ、B1昇格を目指す姿勢をより明確に。アルバルク東京で長年アシスタントコーチを務めた森高大さんがヘッドコーチに就任し、増田啓介選手やサイモン拓海選手などB1経験がある選手も多く加入しています。
ベルテックスのチームカラーとしてはディフェンス強度の高さが特徴。B3時代の2022年、クラブはベルテックスが目指すバスケットボールスタイルを「”超攻撃的”チームディフェンス」と定義しています。
森ヘッドコーチが就任した今シーズンも、「”超攻撃的”チームディフェンス」をチームコンセプトとする方針は踏襲。個人的には昨シーズン以上にディフェンスでの見応えがあって、かつリバウンド力も向上している印象。アリーナMCがよく口にする「ベルテックスはディフェンスから流れを作るチーム」をより実感できるようになっています。
ベルテックス静岡では2シーズン目のプレー 【(C) きんきんきん。】
ちなみに、陳岡選手は今シーズンがルーキーイヤーとなるガードの選手で、橋本選手からはなぜか「チェリーパイ」というあだ名をつけられています。ディレイニー選手はニュージーランド代表経験のある新加入選手で、インサイドへのアタックもアウトサイドシュートもできるバランス感が出色。
加納選手は2020年からベルテックスに在籍するチームの精神的支柱で、ユニークなキャラクターにも定評。昨シーズンのオフに特別番組でラジオDJを務めた際には、静岡県のFMラジオ局で長年活躍するベテランラジオDJからも絶賛されました。
昨シーズン練習生から選手契約を勝ち取りながらもプレー機会には恵まれなかったポイントガードの鍋田隆征選手も、今シーズンはセカンドユニットの一員としてプレータイムを獲得。ハッスルプレーが飛び出すこともあり、地元静岡市出身の選手としてじわじわと存在感と人気を高めています。
スタッツに目を向けてみると、平均ターンオーバー数はリーグで最多(16.5)の一方、平均失点はリーグで最少(75.8)という妙な特徴も(スタッツは11月10日時点)。プレッシャーに対してターンオーバーが立て続けに起きてしまうことがある不安定さはありつつも、堅守というチームカラーは発揮していると言えるでしょうか。
ベルテックスの日本人選手の中では2番目に年長である橋本選手。
「ベテラン」と表現されることも増えていますが、今シーズンは、「ベテラン」という言葉の通り、経験値を重ねたからこそのプレーや姿勢を感じられるシーンがより多くなったように見えます。
スターターとして、スティールやドライブなどの冷静な判断で得点をあげていく一方、ベンチにいる時も積極的に立ち上がり、ヘッドコーチに負けないくらいの声で鼓舞する場面も。
外国籍選手2名で戦っていた10月後半には、30分以上の出場・チーム最多得点でけん引した試合もありました。
私は橋本選手の特徴が試合中のプレーで表現する気持ちの強さに表れていると感じていて、この3年、ずっとその“気持ち”に胸を打たれているのです。
そして、ついに実現した「親子対決」
もともとサッカーをやっていた脩愛さんは父との出会いがきっかけでバスケへの道を歩んだという経緯があり、「同じ会場にプロとしてのふたりがいる」という事実だけで、試合前の時点でジーンと来る展開。
2日の試合前・3日の試合後には抱擁をかわすシーンも。私が座っていた席からは直接この場面を見ることはできなかったのですが、その後SNSであがっていた写真に胸がいっぱいになりました。
福井ブローウィンズでACを務める橋本脩愛さん 【(C) きんきんきん。】
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選手が活躍した際にコールをリードする方など、オーラと存在感がすごいブースターさんが数多くいらっしゃるのもベルテックスの特徴。ジョン・ハーラー選手が活躍した際には、その方がリードする形で「ジョン・ハーラー!ジョン・ハーラー!ジョン・ハーラー!」という大合唱が響き渡ります(ジョン・ハーラー選手はめちゃくちゃナイスガイな若いビッグマン。彼がファインプレーを見せた時に名前を繰り返すコールはベルテックスの名物になっています)。
昨シーズン行き始めた頃、その熱すぎる空間に「これからこの雰囲気になじめるのだろうか」と不安も覚えていた私。しかし、次第に親しくお声がけくださるブースターの方々にも出会うようになり、チームの魅力にも触れていくにつれ、どんどんベルテックスのホームゲームに行くことが楽しみになっていきました。
ベルテックスの本拠地である静岡市は、2030年春の開業を目指す新アリーナの基本計画案をまとめるなど、ベルテックスにとって追い風となる動きも。Bリーグにも出身選手が多く、藤枝明誠に代表されるバスケの名門高校がある静岡県でも、着実にプロバスケを盛り上げていこうという空気感はできつつあります。
今シーズンのベルテックスがどんなバスケを見せてくれるのか、そして橋本選手がどんな存在感を見せるのか。楽しみにしつつ、しっかりと見届けていこうと思います。
きんきんきん。(B MY HERO!特派員)
【(C) きんきんきん。】
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