女王・中部電力に挑んだ“新旧”チーム青森=女子カーリング、熾烈な日本代表争い
「4強」の戦いが注目される中、中部電力が全勝で全日本選手権2連覇を達成した 【写真は共同】
「元祖カーリング娘」の復活で注目
予選リーグで目を引いたのは中部電力と北海道銀行の対戦。20歳のスキップ藤澤五月、22歳のサード市川美余という若い中部電力と、母親になって復帰してきたトリノ五輪代表、33歳のスキップ小笠原、サード船山の北海道銀行という、若手とベテランの対決で、どのような戦いになるか、注目された。
第10エンドを迎えて、北海道銀行が2点リード。後攻の中部電力としては、なんとか2点を取って延長に持ち込めれば、という状況だった。
藤澤の最後の1投は、簡単ではなかったが、2点は狙える状況だった。だがプレッシャーのかかる中、正確に相手の石を打てるのか――それが問題に思えたが、藤澤の狙いはもう一つ上で、想像以上に最後の1投を大きく左に曲げ、相手の石だけを弾き出して、一挙に3点を奪って逆転勝ちを収めたのである。
これで中部電力は予選リーグ1位を決め、北海道銀行は4位となった。順位としては大きな差がついたものの、直接対決ではこのような接戦を演じており、それほど実力差があるわけではない。
本橋麻里率いるロコ・ソラーレ北見がリベンジ
本橋麻里(中央)率いるロコ・ソラーレ北見はチーム青森を破り決勝進出。決勝では逆転で中部電力に敗れた 【写真は共同】
昨年は決勝トーナメントで力を発揮できなかった本橋のロコ・ソラーレ北見が、今年は予選リーグで2敗ながら、決勝トーナメントではチーム青森を破って決勝に進出。決勝でも第9エンドを終えて1点リードしていた。第10エンドに後攻を保持した中部電力に逆転負けしたものの、それでも、本橋もまだ25歳、サードの吉田夕梨花はまだ18歳、昨年より長丁場を戦う力がついてきたことは確かだ。