棚橋の一夜明け会見にオカダ乱入 IWGP挑戦決定に不満爆発

高木裕美

一夜明け会見に乱入したオカダはIWGP挑戦をゴリ押し 【高木裕美】

 新日本プロレス1.4東京ドーム大会から一夜明けた5日、東京・渋谷の新日本事務所でIWGPヘビー級王者・棚橋弘至が会見を行い、連続防衛新記録となったV11を達成した喜びと、次期挑戦者に名乗りを上げた“レインメーカー”オカダ・カズチカへの不満を爆発。会見に乱入してきたオカダと外道のゴリ押しにより、2.12大阪府立体育会館大会でのIWGP王座戦が決定すると、「ノンタイトル戦への変更も辞さない」と不快感をあらわにした。

 棚橋は前日のドーム大会のメーンイベントで、新日本侵略を狙う鈴木みのると死闘を展開。みのるのゴッチ式パイルドライバーを食らい、「試合中はアドレナリンが出てたけど、一晩寝て起きて、鈴木みのるの爪痕を感じた」と首へのダメージを抱えながらの会見となった。
 前日の一戦を振り返り、「もっとおちょくったり、イヤな攻撃を仕掛けてくると思ったけど、正攻法だった。歴史に残る戦いをした。記憶に残る1日だった」と満足そうな表情を浮かべた棚橋だったが、その試合直後にリング上から王座挑戦をアピールしてきたオカダに対しては「ドームの観客の反応がすべて。金の雨を降らせる前に、ブーイングの雨を降らせた。過去の11人の挑戦者と比べると、クエスチョンが残る」とバッサリ。「脅威には感じていない」と切り捨てて、眼中にはないことを断言した。

オカダが大阪でのIWGP王座戦をゴリ押し

IWGP挑戦を表明したオカダだが会場は4万人の大ブーイング 【t.SAKUMA/横田修平】

 オカダは約2年間のアメリカ修行を経て、前日のドーム大会で凱旋。1年前の1.4ドーム大会では、まだまだ若手という印象をぬぐえなかったオカダだが、前日のYOSHI−HASHI戦ではふてぶてしい態度を見せつけ、試合後はヒールユニットCHAOS入りを表明した。
 自らを「金の雨を降らせる男=レインメーカー」と評するオカダは、前日のメーン終了後、棚橋に対し「これからは逸材に代わって、レインメーカーが新日本を引っ張っていく」とエース交代を宣言。だが、4万3000人の観客からは「帰れ」コールとブーイングが起こり、棚橋自身も「お客さんの反応がすべて」と一蹴していた。

 だが、オカダはこの日の会見のフォトセッションの最中に、突如外道と共に乱入。サングラスをかけたまま、テーブルに足を投げ出し、無言で不敵な笑みを浮かべるオカダに代わり、外道が「いつまで逃げてんだ。怖いのか」と王者を挑発。最初は無視していた棚橋も、あまりにも執拗な挑発に、売り言葉に買い言葉で「逃げないけど、潰すよ。やってやるよ!」と応じると、外道は「レインメーカー対過去の逸材、決定だ」とニヤリ。この応答を受け、IWGP実行委員が大阪でのタイトルマッチを発表した。

棚橋が大阪でのノンタイトル戦強行も示唆

一夜明け会見に臨んだIWGP王者・棚橋だが、このあとオカダの乱入で祝福ムードはぶち壊し 【高木裕美】

 自分は一言もしゃべらず、外道にすべて任せっきりのオカダを「保護者同伴のヒール」と言い切った棚橋は、「体もデカくなってるし、動きもいいけど、試合を盛り上げきれなかった。ポテンシャルはあるけど、発展途上。誰かの首を取るとか、実績を積まないと受け入れられない」とオカダとの一戦にIWGP王座を賭けることに難色を示し、「ノンタイトル戦で第1試合でもいい」とキッパリ。21日の東京・後楽園ホール大会から次期シリーズ中、連日組まれている前哨戦でオカダが何らかの結果を残せない場合、大阪のメーンイベントが消滅する可能性も出てきた。

大阪でIWGP4大タイトル戦を開催

2年間のアメリカ修行から帰国したオカダは「レインメーカー」(金の雨を降らせる男)として東京ドームに凱旋 【t.SAKUMA/横田修平】

 なお、大阪大会ではIWGP4大タイトル戦も決定した。前日のドーム大会で約10年ぶりのIWGPタッグ王座返り咲きを果たした天山広吉、小島聡の天コジには、前王者のジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン組が挑戦。V10の最多防衛記録を持つバッド・インテンションズが王座奪回に挑む。
 IWGPインターコンチネンタル選手権試合では、王者・田中将斗に後藤洋央紀が再挑戦。ドーム大会でプロレスリング・ノアの杉浦貴にようやくリベンジを達成し、勢いに乗る後藤が、3ヵ月ぶりに再度大阪の地で宿敵に挑む。
 IWGPジュニアタッグ新王者となったプリンス・デヴィット、田口隆祐のApollo55は、前王者のデイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ組とのリマッチが決定。ドーム大会に続き2連勝でベルト死守を目指す。

■新日本プロレス「THE NEW BEGINNING」
2月12日(土)大阪・大阪府立体育会館 開始17:00

【決定対戦カード】

<IWGPヘビー級選手権試合>
[王者]棚橋弘至
[挑戦者]オカダ・カズチカ
※第56代王者は12度目の防衛戦

<IWGPタッグ選手権試合>
[王者]天山広吉、小島聡
[挑戦者]ジャイアント・バーナード、カール・アンダーソン
※第58代王者組は初防衛戦

<IWGPインターコンチネンタル選手権試合>
[王者]田中将斗
[挑戦者]後藤洋央紀
※第2代王者は4度目の防衛戦

<IWGPジュニアタッグ選手権試合>
[王者]プリンス・デヴィット、田口隆祐
[挑戦者]デイビー・リチャーズ、ロッキー・ロメロ
※第30代王者組は初防衛戦
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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