フォサッティ監督「バルセロナはレベルが違う」=アルサッド監督 準決勝後会見

スポーツナビ

バルセロナ―アルサド 前半、競り合うバルセロナ・メッシ(左)とアルサド・アブドゥルマジェド=日産スタジアム 【共同】

 サッカーのクラブ世界一を決めるクラブワールドカップ(W杯)が15日、横浜国際総合競技場で行われ、準決勝で欧州代表のバルセロナと対戦したアジア代表のアルサッドは0−4で完敗を喫した。前半にミスから先制点を奪われ、2点のリードを許したアルサッドは、後半に入ってもバルセロナに押し込まれ、計4失点。なすすべなく敗れたが、アルサッドのフォサッティ監督は「選手たちには良い経験になったのでは」とバルセロナとの対戦をポジティブにとらえた。
 18日に行われる3位決定戦では柏レイソルと顔を合わせる。そのことについて問われたフォサッティ監督は「われわれが3位になる可能性は高いと思う」と自信を見せつつ、「この試合は東西アジアの戦いだ」と勝利への意欲を見せた。

負けはしたが、良い経験ができた

――サントスがバルセロナに勝つためにはどうすればいいと思うか?

 今は自分のチームについてしかコメントできない。サントスの監督は素晴らしい監督なので、彼に聞いてほしい。

――0−4と大敗したが、今日の試合についてどう考えているか?

 われわれは世界一のチームと対戦した。選手たちはよく頑張ったと思う。4ゴール奪われたとはいえ、選手たちには良い経験になったのではないか。われわれはミスを犯した。ゴールはそういうミスによって生まれるものだ。自分たちはまだまだサッカーを極めないといけないと思う。足りないところを補わなければいけないと思う。全般的に言えることは、誰も負けることは望んでいないということだ。しかし、バルセロナと対戦したらこのぐらいの結果は仕方ないのかもしれない。バルセロナはわれわれとレベルが違うチームだ。今日の試合はカタールでプレーしている選手にとって貴重な経験になったと思う。彼らの将来、カタールのサッカーにとって非常に重要な意味を持つことだろう。

 来日する前に選手に言ったが、バルセロナはほかの出場チームより1つ上のレベルだと思う。サントスはバルセロナより少し下だ。われわれは、残りのチーム相手に1つ勝てるかなと思っていた。現実的に見て、自分たちがバルセロナに勝つ可能性はもともと少なかった。結論としては、本当に今回良い経験ができたということが言える。

――ファイナルはバルセロナとサントスどちらが勝つだろうか?

 わたしがコメントすることではない。バルセロナが世界一のチームであることは疑いようがない。南米王者と対戦するわけだし、歴史的に見て勝つことに慣れているブラジルのチームとの試合は、われわれと戦うよりは差がないのではないか。ただ、優位なのはやはりバルセロナだと思う。バルセロナ王国を崩すことは誰ができるのだろうか。バルセロナにチャレンジできるチームはいくつかあると思うが、今大会に出場しているわけではない。

――アルサッドは守備を固めてバルセロナと対戦した。カバーリングなど人数をかけながら守備が非常にオーガナイズされていたように思うが、それについてコメントがほしい(湯浅健二/フリーランス)

 相手はバルセロナだった。普通の試合なら戦略は違ったと思う。こういった強豪相手にはミスが絶対に許されない。たぶんバルセロナはスペースを見つけるのが難しかったと思う。しかし前半の2点は自分たちのゴールに入れてしまったようなものだ。とはいえ、GKは何度ピンチを防いでいただろうか。わたしはハーフタイムに選手たちに「よくやっているよ」と声をかけた。それに加えて10メートルだけラインを上げろと言った。そうすればボールを奪うチャンスが増え、それによってカウンターの機会が増えると思っていたからだ。

 しかし、自分たちがやりたいことを相手がやらせてくれるかは別問題だ。バルセロナは先日のクラシコ(10日、レアル・マドリー戦)と同じぐらい非常にアグレッシブだった。今回の守備での働きは良かったと思う。しかし、われわれは正確性に欠けていた。攻撃は力が及ばなかったし、バルセロナがそれを許してくれなかった。守備に集中してカウンターを狙っていたが、それができなかった。

柏戦は東西アジアの戦い

――次の3位決定戦で柏レイソルと対戦するが、同じアジアのチームということでフレッシュな気持ちになって戦うことができると思うか?(原田公樹/フリーランス)

 そこは頑張らないといけないと思う。世界のベスト4にアジアの2チームがいる。そのうち1チームだけが3位となれる。東側のチームはいろんな大会で頑張っている。アルサッドは西側のアジアを代表している。今はアジアの代表だが、柏との試合は東西アジアの戦いだ。柏はどう考えているか分からないが、われわれは3位のタイトルがほしい。コメントするまでもなく、自分たちの全力を注ぎたいと思っている。そして3位になる可能性は高いと思っている。ACL(アジアチャンピオンズリーグ)でその実力は見せたはずだ。

――監督にお聞きしたい。グアルディオラ監督がアドリアーノを起用し、2ゴールを決める活躍を見せた。これは意外だったか? アルサッドは3位になる可能性が高いと言ったが、0−4で敗れたあとで、どのようにメンタル面を回復させるつもりなのか?

 最初の質問だが、バルセロナは選手の層が厚い。アドリアーノは普段と違うポジションでプレーしていたが、それがあまり大きな違いとはならなかった。2ゴールを決めたが、ダニエウ・アウベスでもほかの選手でも同じように力を持った選手がいたと思う。とにかく自分たちのほうがミスを犯してしまうと、ゴールを奪われてしまう。アドリアーノが右サイドでプレーしていたことは特別なことではなかったと思う。

 2番目の質問だが、アルサッドの選手たちは非常に謙虚だと思う。非常に頭脳明晰(めいせき)だし、冷静でもある。彼らは今日の試合を素晴らしい経験としてとらえていると思う。結果そのものを気にしてはいないはずだ。だから3位決定戦に影響はないと思う。それは断言できる。選手は自分たちの置かれたポジションをよく理解している。われわれは神に感謝したい。世界ナンバーワンのチームと対戦できたのだから。結果そのものはしょうがないと思っている。選手たちの健闘をたたえたい。

――グアルディオラ監督と話をしていたが、何を話していたのか?

 非常に友好的に話をした。試合のことには触れなかった。カタールの状態はどうかと聞かれた。グアルディオラ監督は以前カタールに住んでいたからだ。カタールはどうかと声をかけてくれた。雑談したような感じで、お互いの健闘をたたえた形になった。わたしたちは監督仲間として、お互いの手腕をたたえた。

<了>

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