早大野球部 好調明大打線を抑え、5季ぶりの勝ち点獲得へ/明大戦展望

チーム・協会
【2024.04.26早稲田スポーツ】
記事 長屋咲希
 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)は第3週を迎える。7季ぶりの優勝を目指す早大は、立大との開幕カードで第3戦までもつれ込む接戦を制し、辛くも勝ち点を獲得した。次に迎える相手は明大。先週行われた東大との開幕節では、2戦合計で34得点と打線が大爆発した。勢いづく昨春王者に対して、いかにして勝機を見出すか注目だ。
 明大は2戦共に二桁得点と、打線が全体的に好調である。2月末の死球による右肩甲骨骨折から状態が心配されていた宗山塁(4年)も、初戦から3番で出場。2安打2打点と順調な復活ぶりを印象付けた。また、昨春の首位打者・飯森太慈(4年)にも警戒が必要だ。昨春この飯森は早大に対し、2戦で8打数6安打と大暴れを見せている。打線を率いるリードオフマンとして、今季も早大にとって嫌な打者になることは間違いないだろう。早大投手陣としては失点を防ぐためにも、上位打線の飯森、宗山を抑えて攻撃の芽を摘み取りたい。また、強打の右打者・木本圭一(3年)や、昨季多くの出場機会を得ながらも不振に喘いだ加藤巧也(4年)は東大戦で本塁打を放っており、こちらも注意が必要である。
 投手陣は、2年に渡り先発の柱としてけん引してきた村田賢一(令6卒)や蒔田稔(令6卒)、石原勇輝(令6卒)が抜け、今季は浅利太門(4年)、久野悠斗(3年)、藤江星河(4年)らが先発を担っていくことが予想される。浅利は最速154キロのストレートを持ち味に、昨年はリリーバーとしてブルペンを支えてきたが、今季は先発として勝負。東大戦では先制を許すも、粘り強く5回を投げ先発の役割を果たした。久野も昨秋は同じくリリーバーとして7試合に登板し、10 1/3イニングを0点に抑える投球を見せている。藤江は2021年秋に第2先発を担っていたこともあり、経験者かつ最高学年としてのプライドがあるだろう。また、一般入試組でありながら、オープン戦で最速152キロを記録するなど地力をつけてきている松本直(2年)、リーグ戦初登板で初勝利を手にした山田翔太(4年)など、主力の穴を埋める選手はそろってきている。東大とのカードでは2戦合わせて9投手がマウンドに上がった。来たる早大戦ではどのような継投を繰り出してくるのか、田中武宏監督の手腕とともに注目したい。

好調の1番・尾瀬。明大の好投手を打ち崩すべく、打線の火付け役となれるか 【早稲田スポーツ新聞会】

 一方の早大打線は明大打線とは対照的に、立大1、2回戦は好機をモノにできない展開が続いた。それでも、3回戦の8回には、1番・尾瀬雄大(スポ3=東京・帝京)の右安を皮切りに打線がつながり、1イニング6点の猛攻。打線は温まってきていると見て良いだろう。特に好調なのは、尾瀬と山縣秀(商4=東京・早大学院)の1、2番コンビ。尾瀬はここまで11打数5安打とよく当たっている。山縣にも3戦すべてで安打が出ており、また犠打で尾瀬を送る役割も果たしている。今回のカードでもこの二人が打線の起爆剤となれるかが、明大撃破のポイントとなるだろう。4番・捕手として攻守の要を担う印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)もここまで打率3割をマーク。先日の立大3回戦では試合を決定づけるタイムリーを放ち、勝ち点奪取に貢献した。また、内部進学組の外野手・石郷岡大成(社3=東京・早実)は打点チームトップの活躍。ここまでは全試合スタメン出場しており、3年目にしてブレイクを果たすことはできるか。

今春からのスタメン起用に応える働きを見せている石郷岡。立大戦の活躍そのまま下位から打線に勢いをつけたい 【早稲田スポーツ新聞会】

 投手陣はここまで、全体として安定した投球を見せている。エース伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)は、1回戦、3回戦に先発し、いずれも7回1失点。味方の援護無く白星はつかなかったが、エースとして文句なしのピッチングだ。第2先発は、リーグ戦初登板が初先発となった宮城誇南(スポ2=埼玉・浦和学院)。6回3失点と、こちらも初登板としては及第点の投球を見せた。また、中継ぎも若い力が躍動している。ルーキー・安田虎汰郎(スポ1=東京・日大三)は、既に2試合に登板しており、いずれも無失点に抑える好投。勝ち星にも恵まれ、2勝を手にしている。また、同じく1回戦の最後の打者を任されたのはこちらもルーキーの髙橋煌稀(スポ1=宮城・仙台育英)。緊張からか四球を出すが、続く打者を三直に仕留め、初登板を良い形で終えた。その他にも、昨秋勝ちパターンの一角を担った左腕・香西一希(スポ2=福岡・九州国際大付)など、層の厚さは明大に負けていない。

2回戦の先発が有力視される宮城。エース・伊藤樹は好投を続けているだけに、持ち味を発揮しリーグ戦初勝利を手にしたい 【早稲田スポーツ新聞会】

 2021年秋以来明大から勝ち点を奪うことができていない早大。優勝に向けて、非常に大きな壁となることは言うまでもない。早くもやってきた大一番。ここで勝ち点を奪取し、リーグ優勝に大きく近づきたい。
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著者プロフィール

「エンジの誇りよ、加速しろ。」 1897年の「早稲田大学体育部」発足から2022年で125年。スポーツを好み、運動を奨励した創設者・大隈重信が唱えた「人生125歳説」にちなみ、早稲田大学は次の125年を「早稲田スポーツ新世紀」として位置づけ、BEYOND125プロジェクトをスタートさせました。 ステークホルダーの喜び(バリュー)を最大化するため、学内外の一体感を醸成し、「早稲田スポーツ」の基盤を強化して、大学スポーツの新たなモデルを作っていきます。

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