「ももクロとプロレス」――“あの熱”よ、もう一度/後編
グレクロのペイントも毒霧も「そこまでやってこそももクロ(本人たちは「別人」と否定)」
ももクロのお友達、「グレートクローバーZ」降臨! 【神谷繁美】
「完全どアウェーのね。あれも彼女たちにとっては試練だったんですよ(苦笑)」
――一番辛かったステージが「K−1」という子がいるそうで(苦笑)。佐々木さんに「見てくれ」と言われてアリーナで見たんですけど、リングは高いしロープは太いしで彼女たちの踊る姿が全く見えなくて可哀想でした。で、あの後、僕はバックステージで会っているんですよ。
「へえ〜、そうなんだ」
――引き上げてくる時に偶然会って「お疲れさまでした」と声を掛けたら、先頭の子には会釈されたんですけど、後の子たちには怪訝な顔をされたんです。「なんで知らないおじさんが挨拶してくるの?」みたいに(笑)。
「ああ、それは失礼しました」
――いえいえ、逆に面白いと思ったんですよ(笑)。アイドルとかタレントの子の営業スマイルじゃなくて(笑)まったく素の反応が返ってきたのが印象的だったんです。
「ちゃんと挨拶の出来る子たちなんですけど、本当に飾らないというか素直すぎるというか(笑)そういうところはあるんです。よく言うんですけど、あの子たちは親御さんの教育がいいんですよ。接してて思うんですけど、お箸の持ち方がしっかりしてたり親御さんにしっかりと育てられているんですよね。例えば茶髪が似合わない。この子たちが似合うのは黒髪なんです。そこがびっくりするぐらい全然スレてないんです。だから媚を売らないし『女っぽさ』もゼロなんですけど(笑)そこがよかったりするんですよ」
――分かります。
「スターダストさんは女優さんの事務所で、アイドルを育てたことがあまりないせいかリミッターがない分、すごく作りやすいんです(笑)。中野サンプラザでもいきなり覆面を被せて1曲歌わせたんですけど、普通、あんなことしないです。顔を見せる商売なのに」
――それを言ったら「グレクロ」のペイントはあり得ないですよ!(笑)
「可愛くもなんともないという(笑)」
――不気味でしたけど(笑)逆に「ここまでやるか!」という驚きと感動でした。
「やる以上は中途半端は嫌だし、それはプロレスに失礼だし。そこは武藤(敬司)さん以上に僕の方が頭が固いかもしれないです(笑)。稽古場で毒霧の練習をさせたり、一個一個、そういうことをしてきたんですよね。他のアイドルのように番組に出て笑顔を振りまいて、握手会して、というんじゃないから。最初は『コマネチはやりたくない』って泣いた子が今は『そこまでやってこそももクロ』というアイデンティティを持ってますから(笑)。でも楽しんでやってますよ。早見という精神的な支柱が消えた時、初めて『やんなきゃいけない』っていう意識が芽生えたんですね。パフォーマンスも、バラエティでの喋りも。早見が辞めて、初めてフリートークをした時にお前らそんなに喋れるのかよ、というぐらい活き活きと喋り出したんです。早見におんぶにだっこだったのが、6色が5色になって『各色が目立つな』と思いますね」
――「プロフェッショナル」のSMAPの回で、森君が抜けた時が最大の危機でそこでメンバーそれぞれが「やらなきゃいけない」と自覚したと。それを見た時、早見さん脱退後のももクロと重なったんですよね。
「その危機でダメになってしまうグループもあるんでしょうけどね。Zになった時は……会場は怒号でしたよ(笑)」
――ハッピーエンドで完結させず「これどうなるんだよ!」と次にストーリーを繋ぐ感じも、金曜8時54分の新日本プロレスっぽいぞと思いました(笑)。
「メンバーも裏で見て『ええ!』って素で驚いてましたからね(笑)。僕らはそういうのもプロレス・格闘技から学んだんですよね」
12.25は「年末のさいたま」を意識して、ももクロで「あの熱」を再現したい
12.25さいたまSA、ももクロで「あの熱」を再現します! 【茂田浩司】
「凄くありますね。元々がステージ演出家じゃないから、ステージ演出は素人みたいなものなんですけど自分自身も成長できるし。12月から『ももドラ』っていうドラマの演出をしているんですよ。テレビではそういうカットは撮ってきましたけど、本格的なドラマを撮るのは初めてなんでそういう意味ではももクロのおかげでチャンスを貰ってる。一緒に成長してる感じですかね。ありがたいですよ」
――演者とスタッフとファンが一緒に走ってる感じ、疾走感を凄く感じます。
「ただ、ご批判を受けることもありますよ。ももクロは歌も踊りも凄いから、そのまま見せてもお客さんは喜ぶんです。だから、ステージに武藤さんを登場させたり、よみうりランドでクレーンで上がったりはある意味余計な演出なんです」
――一度上がって、同じところに降りましたよね(笑)。
「そこに降りるのかよ、というね(笑)。でも『それを含めてももクロちゃん』がチームの認識で、でも歌って踊ってのももクロちゃんが見たいファンも大勢いるので兼ね合いは難しいですけど、さいたまやよみうりランドはおもちゃ箱を引っ繰り返したようなエンターテインメントでやって、ZEPPとかライブハウスはしっかりと歌と踊りを見せる。その差別化はしっかりしようと思ってます。硬軟いける振り幅は出来たらいいと思うし、紅白という目標があるのでパイを広げないといけませんから」
――12.25さいたまはプロレス・格闘技ファンが見ても面白いステージになりますか?
「大喜びしていただける自信はありますね(キッパリ)。今、やろうとしていることが全部出来たら、大喜びしていただけると思います(笑)」
――(笑)それは楽しみです。
「僕もそういった意味でプロレス少年だったし、格闘技をど真ん中で体感してるからそういう『かゆいところ』は分かってるつもりなので(笑)。アイドル方面しか知らない人、プロレス・格闘技を知らない人にはそういう演出がすごく新鮮に、かつテンションを上げられると思うし、プロレス・格闘技を知っている人達は余計にプラスアルファの面白さがあると思いますよ。ステージングは全然心配していないので、あとは料理の仕方で『年末のさいたま』を思い切り意識して作ろうと思ってます。
あと『あの熱をもう1回』という気持ちは強いです。ももクロにとっての『レッスルマニア』が必要だと思ってて、それを春に持ってくるなら年末のももいろクリスマスの位置付けも見えるし、夏は野外フェスとかがあるし。要は、ハウスショーとPPVショーとを上手にコントロールしていくという(笑)」
――なるほど、それは分かりやすいです(笑)。ハウスショーはまさに手の届くところにいる感覚ですね。
「そうです、そうです。ハウスショーはライブ感を何よりも大事にして、汗を感じられるところでやるべきだし、PPVショーはお祭り。僕も、プロレス・格闘技にはもう一度復活して貰わないといけないと思っている人間なので、そこを強く念じながらやっていきます」
――12.25さいたま大会、期待しています。本日はありがとうございました。
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【収録内容】
1.労働讃歌(作詞:大槻ケンヂ 作曲:Ian Parton 編曲:Ian Parton)
2.サンタさん(作詞/作曲/編曲:前山田健一)
3.BIONIC CHERRY(作詞:只野菜摘 作曲/編曲:AKIRASTAR)
〜映画「サルベージ・マイス」主題歌〜
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価格:¥6,090(税込)
DVD2枚組
収録内容:「ももいろクローバーZ サマーダイブ2011〜極楽門からこんにちは〜」ライブ全編(146分)+映像特典「あの“門”へ向かって」(39分)
収録時間:DISC1:本編92分、DISC2:本編54分+特典39分
発売元・販売元:キングレコード
<コンサート情報>
クリスマスライブ開催!!
「ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会」
会場:さいたまスーパーアリーナ
日時:2011年12月25日(日) open16:30/start17:30
※チケットsold out
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ももいろクローバーZ
柴咲コウや北川景子が所属する大手芸能事務所スターダストプロモーションに所属する百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れにの5人によるガールズユニット。08年春に結成。渋谷代々木公園けやき通りでのストリートライブを出発点に活動を開始。10年5月「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビュー。同年12月24日、日本青年館での初のホール単独公演は発売わずか30分で完売。11年4月、中野サンプラザでの2度目のホール単独公演を最後にメンバーの早見あかりが脱退。5人体制となり「ももいろクローバーZ」に改名。同年8月、よみうりランドオープンシアターEASTで「ももいろクローバーZ サマーダイブ2011〜極楽門からこんにちは〜」開催。12月25日、「ももいろクリスマス2011 さいたまスーパーアリーナ大会」を控える。
佐々木敦規/ささき・あつのり
1967年、東京都出身。フジテレビを中心に料理、K−1中継、バラエティ、情報番組などの演出を担当。現在は制作チーム「Film Design Works」の代表として「とんねるずのみなさんのおかげでした」やテレ朝動画「ももクロChan」、ももいろクローバーZのライブ演出に関わる。