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「マエケンの同級生」らがNPBに挑む
独立リーグからドラフト指名

最速152キロの冨田「僕がスライダーを前田に教えて…」

PL学園高時代の同級生・前田健太との対戦に意欲を見せる冨田(横浜・育成1巡目指名)
PL学園高時代の同級生・前田健太との対戦に意欲を見せる冨田(横浜・育成1巡目指名)【寺下友徳】

 2005年の発足以来、四国アイランドリーグplusから昨年まで26名がプロ野球ドラフトで指名(育成含む)を受けた。今年も全員が育成ドラフト指名ながら、新たに7名が夢舞台・NPBへの扉を開いた。


 香川オリーブガイナーズからは一昨年に続き最多タイとなる4名が指名された。まず、PL学園高時代は広島のエース・前田健太と同級生だった冨田康祐。「僕がスライダーを前田に教えて、前田から僕がカーブを教わっていた」。

 最速152キロ右腕の冨田は1年目でのリーグ最多登板数を誇ったタフネスぶりを評価され、横浜から育成1巡目指名を受けることに。「前田と対戦できるように、まずは支配下登録を勝ち取りたい」と、力強く意気込みを語った。


 また、福岡ソフトバンク育成2巡目指名の亀沢恭平は50メートル走5秒9の俊足と堅実なショートストップでの守備を買われ、冨田とともに1年でリーグを卒業。「フェニックスリーグの中盤からつかんできた」と語るバッティングにも磨きをかけて、NPB屈指の内野陣に挑戦する覚悟だ。

「指名されなかったら、次の仕事を」27歳、悲願のNPB入りへ

左から亀沢恭平(ソフトバンク育成2巡目)、中村真崇(広島育成2巡目)、冨田康祐(横浜育成1巡目)、西森将司(横浜育成2巡目)
左から亀沢恭平(ソフトバンク育成2巡目)、中村真崇(広島育成2巡目)、冨田康祐(横浜育成1巡目)、西森将司(横浜育成2巡目)【寺下友徳】

 そして西田真二(元広島)監督をはじめ、会場の誰もが喜び、涙したのが、リーグ所属4年目となる中村真崇、西森将司のダブル育成指名である。

「今年は主将になって、自分がしっかりして周りを見ることを覚えた。もし指名されなかったら、次の仕事を考えていた」。27歳の中村真崇は、その変化が認められ、ラストチャンスで広島から育成2巡目指名。

 立命館大を卒業後、JR東海、福岡レッドワーブラーズ(現在休止中)を渡り歩く中で持ち前の強打に広角打法のエッセンスを加えた香川の4番は、「年が年なので半年が勝負。猛練習の話は聞いてはいるが、このリーグで鍛えた根性を見せたい」と目を赤くさせながら抱負を述べた。


 西森は二塁送球2秒を切る強肩に、「監督からいつも言われていた」守備、感情の安定感が加わり、横浜育成2巡目指名をゲットした。北照高を卒業後、社会人野球の名門・ホンダに進むも2年で戦力外となり、香川の地で再び目指したNPBへの到達。

「いろいろな人たちにお世話になって望んでいた場所へ行くので、覚悟を持って野球をしたい」と、泣きはらした目を真っすぐ向けていた表情は精悍(せいかん)そのものだった。


 このようにさまざまなバックグラウンドを持つ4人が香川からNPBに挑む。その道は決して平坦なものではないが、NPBで成功するための権利書がこの日、彼らの元に届けられたことも確かである。


<了>

寺下友徳
寺下友徳

1971年、福井県生まれの東京都東村山市育ち。國學院久我山高→亜細亜大と進学した学生時代は「応援道」に没頭し、就職後は種々雑多な職歴を経験。2004年からは本格的に執筆活動を開始し、07年2月からは関東から愛媛県松山市に居を移し四国のスポーツを追及する。高校野球関連では「野球太郎」、「ホームラン」を中心に寄稿。

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