RENAインタビュー「勝ちに行きますよ」=11.23神村エリカと大一番

茂田浩司

9月の思わぬ敗戦はしっかり反省、もう切り替えはできています 【t.SAKUMA】

 11月23日、TDCホールで開催される「RISE85」において“最強の女子高生”神村エリカと「初代RISE QUEEN決定戦」(48kg)を争うRENA。
 人気と実力で女子格闘技を引っ張る二人だが、最近の「勢い」は好対照だ。神村は今年7戦7勝6KO。そのうち得意の左フックで4つの1RKO勝利をマークし“豪腕”ぶりを見せつけている。
 対するRENAは昨年8月のGirls S−cupで2連覇を果たした後、今年はここまで3戦1勝2敗。神村戦に向けて勢いをつけるべく臨んだ9月10日のジェシカ・ペネ戦でも延長2R目(5R目)に投げでシュートポイントを奪われてまさかの敗北を喫した。
 神村が早くも「KO宣言」をする一方で沈黙を守るRENA。果たして、RENAはこの大一番をどう戦おうとしているのか。

「反省しつつ、前を向いて」

体つきも変化し進化に手応え、11.23リングの私を見ててください! 【t.SAKUMA】

――9月10日のジェシカ戦は思わぬ敗北でした。RENA選手自身、噛み合わない感じでしたけども。

RENA「試合前、自分的には11月に向けて殴り合いをしようって決めてたんです。アメリカの選手で元々ボクシングをしてたって聞いたんで。で、打ち合って、自分の調子を確かめたいなっていうのがあって。それで「打撃、打撃」って思って挑んだのに組まれて、『え!? 殴りたいのに! 離せよ!』みたいな(苦笑)」

――レスリング主体の選手でしたね。

RENA「金網で試合してる選手なんですね(苦笑)。打撃の攻防をしたかったんですけど、やりたいことが出来ずに。でも、まあ、打撃では全然何もされてなかったんですけど、SBの選手が投げられて負けたらアカンわぁっていうのは、正直思って……。でも気が引き締まりました。とりあえず11月に勝てば、すべて、今回の負けの分もお釣りが返ってくるわ、って切り替えて。ヘコんでても仕方がないんで、反省はしっかりしてもう前を向いてます」

――今回はすぐ切り替えられました?

RENA「はい、きっぱり(ニッコリ)。1日ヘコむだけヘコんで、もう明日からはヘコまない!みたいな(笑)」

――強いですね。それはやはり、今年はもっと厳しいことを経験してきたから?

RENA「ホントに厳しかったですよ〜」

「このまま辞めたらあかんな、って。やり返してから辞めないと」

一時は引退も考えたRENA……でも「このまま辞めたらアカン」 【t.SAKUMA】

「厳しかった」のは言うまでもなく6月の高橋藍戦。13年ぶりに復活したSB日本レディース王座決定戦で、RENAは大差の判定負けを喫した。

――あの試合後「引退も考えた」と聞いて「なぜ?」と思ったんです。自分自身に失望した、ということですか?

RENA「そういうのもありますね」

――RENA選手のプロデビューは実はJ−GIRLS。07年当時、SBでは女子マッチ自体が珍しくて、RENA選手の活躍でGirls S−cupが誕生し、レディース王座が復活した。全部有言実行してきて、あの敗北でそれまで全力で走ってきたことの諸々が一気に来て、緊張の糸が切れてしまったのか、と。

RENA「……引退を考えたのは、自分の内側に『許せないこと』があって、その自分に腹が立って。このままプロを名乗っていいものなのかって。それは何かは言わないですけど」

――そこからどうやって立ち直ったんですか?

RENA「一杯相談もしましたし、話し合いもしました。本当にたくさん色んな声を聞きました」

――それで何か見えてきましたか?

RENA「とりあえずこのまま辞めたら絶対後悔するって思いましたし『許せないこと』を今回再確認したんだったら、次からそれを出さなかったらええやん、って考えるようになりました。このまま辞めたらアカンなって。やり返さないと“逃げ”ですから」

――外から見ると「RENA」という選手は未完成なんですよね。いろんな欠点はあったけど全部勢いで飛び越えてきた。元気もよかったし。

RENA「元気、今でもいいですよー(ニッコリ)」

――失礼しました(笑)。あと、相手選手が「RENA対策」をするようになっていることもありますね。

RENA「そうですね、すごく思います。だから今回は『何も言わないでおこう』って決めてます」

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著者プロフィール

94年から週刊の情報誌でスポーツページを編集。野球、サッカー、NBA、テニス、F-1など様々な競技や選手を取材。96年からフリーに。99~02年「ゴング格闘技」編集ライター。現在は格闘技、お笑い、教育、健康、舞台・テレビ、政治・時事などを幅広く取材・執筆中。

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