川島「僕たちはもっと上を目指さないといけない」=日本代表の守護神が語る2014年W杯への道のり

論スポ

もっと上へ上へと進化していかなければ

――前半8分の失点シーン(ゲインリフの左からのクロスを今野がクリアミス、そのボールをジェパロフがダイレクトボレー)は、ボールが視界から消えたのですか?

 実は、あれは、こんちゃん(今野)の足に当たって、そこでボールが逆方向に飛んでしまったんです。計算ができない部分があったとしても、あの時間帯の失点はいけないですね。相手のシュートがポストに当たって、その後のスローイングからのゴールなんです。集中しておかねばならないシチュエーションだし、そのあたりのディフェンスの意識に問題はあったと思います。
 結局、自分たちのシフトがどうのこうのよりも、相手がどう出てくるかに、いかに対応できるかという部分が大切なんですよ。これまではショートパスを使って組み立ててきたけれど、今回は、ロングボールで蹴ってきた。彼らの狙いは中盤を間延びさせようということだったんでしょうが、そこに何とか対応しなけばという意識が強すぎたかなとも思うんです。

――同点になってから、川島さんはビッグセーブを連発しました。アウエーでも自然体をキープできているような印象に見えました

 ウズベキスタンという地には忘れられない印象が残っていました。南アフリカのW杯を決めたのが、ウズベキスタン(2009年6月)でした。僕は出ていませんでしたが、マコが退場し、岡田監督まで退場となった試合で、スタジアムも異様な雰囲気でした。それまで僕がまったく経験したことのないような空気感でした。でも、ベルギーに行ってからは、こっちはこっちで異様な雰囲気の試合は日常的にあります。今回はもう、そういう違和感には戸惑いませんでした。普段見ている景色が違うと、新しい景色がどう見えるかも違ってきます。こういうことが海外でプレーすることの意味なんでしょうね。

――10月には親善試合のベトナム戦からアジア3次予選の第3戦となるホームのタジキスタン戦(11日、大阪長居)、11月にはタジキスタン、北朝鮮とのアウエー2試合と続きます

 タジキスタンというチームには、まだ分からない部分がありますからね。いずれにしろ、準備を怠らないことです。おそらく試合を勝ち進むにつれ、どんどんとプレッシャーはでかくなっていくでしょう。その先の最終予選になれば、もっと大きくなっていくでしょうが、それがW杯の予選というものなんです。その中で、もっと上へ上へと進化していかなければならないと思っています。

<了>

(聞き手=本郷陽一)

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