川島「僕たちはもっと上を目指さないといけない」=日本代表の守護神が語る2014年W杯への道のり
9月に始まったW杯予選について語った日本代表のGK川島 【論スポ】
本田、長友が消えたチーム
それはしょうがないことです。じゃあ、いないからどうしよう、こうしようという動揺のようなものはチームに出てはいませんでした。逆に、このことをポジティブにとらえようと考えていました。いつものメンバーでできるのが一番でしょう。ただ、今後の長い闘いの中で、いつも同じメンバーでスタートできるわけではありません。それを今できることがいいとも思わないんです。スタートでけが人が出たということは不安要素ではありましたが、今後のことを考えれば、ほかのメンバーが入った時に、チームがどう機能しなければならないかということを経験できる、いい機会だと感じていました。
――川島さんは近ごろ、初の著書『準備する力――夢を実現する逆算のマネジメント』を出版されました。その中から拝借すると(笑)先を見据えたマネジメントですね
2010年の南アフリカのW杯が終わった時点で、そこから自分が見ている絵は2014年ですから。もちろん、アジアを闘い抜かないと2014年などないんですが、アジアだけじゃなく、常に、もっと先を見据えてサッカーをしていかなくてはならないと思っているんです。その積み重ねが2014年というものになりますし、1試合、1試合がチャレンジになると思うんです。
――自身の本については、満足のいく出来ですか?
終わってみれば、もっとこう書けばよかったかなあという部分も確かにありますが、間違いなく、今の等身大の自分を伝えることのできる本だとは思っています。サッカーファンの人だけでなく、なかなか人生がうまくいっていなくて一歩が踏み出せないと感じている人に読んでもらい、考え方を共有できたらうれしいと思っています。
ウズベキスタン戦で見えた課題
そうです。いつもの自分たちのプレーができていれば勝てた試合だった、もったいなかったという印象はありました。だけど、その自分たちのプレーができるかできないかが、このアジアの闘いの難しさですね。しかもアウエー戦です。ピッチも含めて、いつもと違う環境でハードスケジュールの中、どれだけ最高の結果を求めて、どれだけ自分たちのサッカーがやれるのか。ああいうウズベキスタン戦のように負けてもおかしくない試合を勝ち点「1」にしたことは評価していいと思いますが、僕たちはもっと上を目指さないといけないんです。そのためにも、もっと経験を積んでいかないといけない。そう気持ちを引き締めた試合でした。
――ウズベキスタン戦では、シフトを変更しました。阿部勇樹を入れ、長谷部誠がトップ下。ザッケローニ監督の意図をどう受け取りましたか
アウエーだし監督は守備的に考えていると。
――アウエーの怖さを知るザックらしいさい配に見えましたが、長谷部のトップ下には、少し驚きました
もともとは、あそこの選手じゃないですか。それに北朝鮮戦では、積極的に攻撃参加していましたから、そのイメージがザッケローニ監督にもあったのかもしれません。
――ただ、長谷部は高い位置でプレーし過ぎたように見えました
マコ(長谷部)だけでなく、前半は全体が「前に、前に」という動きになっていました。逆にこっちは、ロングボールでディフェンスを下げられました。そういうバランスの中で、相手に、ちょっと簡単にやらせてしまう場面ができてしまいましたね。
――そのあたりの理由は?
ピッチの状態が悪かったですし、加えて、相手のデイフェンスも、そう速くないという印象を持っていたので、前半にハンディを背負いたくなかったんですよ。だから、敵地でしたが、先に点を取ろうと。
――それが空回りしてしまいましたね
うまくいかなかったかなとは思います。
――おそらく、前へ、前へと全員の気持ちが動いたことにより安全な形で外で受けたいとする動きと、裏のスペースを突き抜けて取ろうとする動きの2つの分かれてしまい、ボールを失ったときに真ん中がポーンと空いたんでしょうね
相手の8番(ジェパロフ)のいた場所に対してのディフェンスが中途半端で、彼の前のスペースを空けてしまうことになっていました。うまく対応できていませんでした。