長島☆自演乙☆雄一郎 プロレス2戦目直前インタビュー「僕はやりたいことをやりたい。今はプロレス。K−1は……」

茂田浩司

プロレスで「武道」を使いたい。K−1については……

K−1について今、自演乙は何を思う? 【茂田浩司】

――逆に反省点や課題は?

 細かいところは多々ありましたねー。エルボーに関してはもっともっと打ち方があったかなとか。そういうところで思ったのは、プロレスのエルボーも大事ですけど「ムエタイ」のエルボーなんか使ってみたいッスね。

――ムエタイ!?

 ムエタイのタテヒジとか。プロレスでは100パー使わないし、使えないじゃないですか。そういう「もっとしたいな」っていうことが色々と沸いてきました。

――試合をしていろんなイメージが沸いてきたんですね。

 そうですね。基本、頭で色々と考える選手なので。少林寺の逆技であるとか、正道空手、円心空手の崩しであるとか。崩しからのヒザ、ハイキックとか出来たと思うんですね。ロックアップとかはまさに「回し崩し」のタイミングですから。こう掛けて、崩すんです(相手の頭に手を引っかけて前方に落としながら、自分は円の動きでサイドに回る、を実演)。そういう動きをもっと入れたかったですね。「ここで使える!」っていうタイミングは分かりましたから。

――武道からのアプローチは面白い発想ですね。

 僕がこれからストロングスタイルを貫こうとしても、100パー越えられない壁ってあると思うんですよ。でも「僕しかできない」っていうプロレスをしていきたいですから。僕はオタクであると。そして武道家であると。こういったところにもっともっと着目して、幅を広げたいなと思いましたね。K−1の時も同じなんですけどね。

――あと、プロレスといえば「心躍る必殺技」だと思うんですよね。

 ねえ。「シャイニング乙ザード」は結局パクりになってしまいますから(苦笑)。僕ね、この拳を使いたいんですけど反則なんですよー(苦笑)。せっかくパンチャーですし「猪木のナックルパート」的な。

――独特なムーブからの「自演砲」のプロレス版ですね。ただ、武道の話を聞くと新技のイメージはすでにありそうですけど。

 普通の人が見ても「うわ!」って思うような技で、格闘技・武道をやってる人から見たら「これはあの流派のこの動きだ!」という技をやりたいんですよね。

――武道は一瞬、魔法みたいに見えますね。

 武道の動きそのまんまだと派手さに欠けてしまうんですけどね。そこはエンターテイナーですから(笑)。

――ただ、こうしてプロレスにのめり込む乙選手を見ると、ファンの人は「K−1は?」と思うかもしれません。今、K−1に対してどんな思いを持っていますか?

 あの……。僕もプロのファイターなんで、仕事として臨める舞台をちゃんと作ってほしいですね。

――その舞台が用意された時にK−1に復帰しますか?

 その時に改めて、ゆっくりと考えたいですね。今の状況では無理ですし、プロとして出れる舞台になれば戻る可能性はありますし。
 もっともっと、自分は自分の道を行きたいし、やりたいことをやりたいですね。僕は「やりたい」と思ったことをやるのが一番モチベーションが上がるんで。そうやって今までやってきたし、やってきた結果がこうなっているんだし。今は「プロレスやりたい!」と思ったからプロレスをやってるし。それで結果的にプロレスをやってよかったと思ってるし、2戦目も決まったし。

6.14ZERO1後楽園ホールで「未知との遭遇」を楽しんで下さい!

6.14後楽園、曙(右から2人目)とのタッグは「未知との遭遇」だ 【茂田浩司】

――そのプロレス第2戦が曙選手とのタッグ。これは面白い組み合わせですね。

 僕もそこに来ると思ってませんでした(笑)。衝撃的でしたね。面白いなという人でいえば「曙さんかな?」と思ってましたけど、その前にタッグ候補は実はいたんですよねー。

――気になりますけど……。

 でも曙さんのタッグは1回では終わらせたくないですね。

――まさに「異次元タッグ」。曙さんの大きさは数字で知ってても、実際にお会いすると想像を遥かに越えた大きさですよね。

 ホンマおっきいですよねー(笑)。前にサッカーゲームのイベントで共演してて、横綱は覚えてくれてました。今回、僕が間違えて「初めまして」って言ったら(声真似して)「初めましてじゃないよ〜」って(笑)。

――会見では大谷さんや曙さんが隣にいるのに堂々の「乙ペース」。水を得た魚というか「合ってるなあ」と思いましたよ(笑)。

 記者陣は冷ややかでしたけどね(苦笑)。でもK−1でもそうでしたけど、僕は「初めて」なんですよ。どこに行っても僕っていう存在は「初めての人間」なんです。だから敬遠されるし、伝え方も上手く分かられないですよ。けど、もう一回ゆっくり考えると「出来ること」は一杯あると思うんです。考えの古い人には僕は敬遠されますし、今までそういうことをたくさん経験してきて、ムカついたことも一杯ありましたけどね(苦笑)。

――乙選手の新しさを認められるかどうか。K−1の会場にアニメ・サブカルのファンやメディアを集めたようにプロレスも新しいファン層開拓のチャンスですよね。ちなみに、その発信力でCMの話とか来ないですか?

 やりたいですよね。CMで僕を使う企業さん、いないですか? エッジは効いてますよ。インパクトが欲しいなら俺を使え!(笑)。あとねー、講演とかもしてみたいです。結構、僕の考えてることは他人に認められなくて、結果を出して認めさせてきてるんで。考えてることを話したりもしてみたいんですよね。

――なるほど。あと、会見では橋本大地選手に「乙選手には蹴りを使わずに勝つ」と挑発されていましたね。

 ねえ。僕を意識してるんやなと思いましたけど、蹴りを使わなきゃ僕には勝てないですよ、フフフ。使いたいけど「使わない」っていうツンデレなんですよ、彼は。可愛いから(笑)。まだまだ19歳ですよー。

――真面目に噛みつく大地選手に対して、乙選手が終始「上から」なのが面白かったです。

 僕、まだ2戦目ですけどねー(笑)。キャリアは彼が上ですけど真面目なんで。たまに真面目すぎて読めない時があります(笑)。でも、なんとしても彼をボコボコにして「花咲くいろは」を見せてやりたいですね。あ、これは今期イチオシのアニメです!

――解説までありがとうございます(笑)。では最後に、6月14日後楽園ホールに向けて読者にメッセージを。

 6.14は後楽園ホールで「未知との遭遇」がおこなわれます。大相撲の元横綱と、アニメ・サブカルそしてK−1チャンピオンがコラボするなんて二度とないかもしれないですよ。この異次元ワールドをぜひ会場で楽しんでほしいですね。もちろん僕も楽しむし、やりたいことも一杯ありますからねー。

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著者プロフィール

94年から週刊の情報誌でスポーツページを編集。野球、サッカー、NBA、テニス、F-1など様々な競技や選手を取材。96年からフリーに。99~02年「ゴング格闘技」編集ライター。現在は格闘技、お笑い、教育、健康、舞台・テレビ、政治・時事などを幅広く取材・執筆中。

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