＜西カンファレンス　ファイナル展望＞

　西カンファレンスファイナルの対戦カードも昨年同様、大阪エヴェッサvs．琉球ゴールデンキングスとなった。昨シーズンの対戦では終始沖縄が後手に回り、大阪の圧勝だった。２連覇を目指して有明に乗り込んだ沖縄にとって不甲斐ない試合だっただけに、雪辱に燃える気持ちは強い。対する大阪もここ数年優勝から遠ざかっており、王座奪還に向けて余念はない。激しい順位争いを繰り広げた西カンファレンスの頂上決戦はレギュラーシーズン同様、白熱した展開となりそうだ。

　今年の大阪はリン・ワシントン、ウィリアム・ナイト、ウェイン・マーシャルと、得点力のある外国籍選手がチームをけん引していた。震災後には埼玉から今季のアシスト王であるケニー・サターフィールドを獲得したことで、さらにオフェンス力がアップ。このスコアラー４人を沖縄がどう抑えるかが見ものだ。

　対する沖縄にはディフェンスのスペシャリストであるアンソニー・マクヘンリーがいる。彼は１番〜５番までどのポジションでもつくことができ、その試合で一番コンディションのいい選手を抑えにくる。マクヘンリーのディフェンス力に対し、大阪のスコアラーがどう攻撃を展開するのか。サターフィールドがどう攻撃を組み立てるかにも注目したい。

　西カンファレンスファイナルの最大の山場は第２クオーターとなるだろう。オンザコート２（外国籍選手２名までがコートに入れるルール）になるこのクオーターでは、大阪は外国籍選手２人に加え、アジア枠であるチャイニーズ・タイペイ代表のツェン・ウェンティンを入れてくる。彼は日本人がマッチアップしても、そう簡単に抑えられる選手ではない。代わりに外国籍選手を付ければ、他の外国籍選手のマッチアップに日本人選手がつくことになり、そこにもミスマッチが生じることになる。そのミスマッチを生かして、大阪が得意のパターンにもっていくことがレギュラーシーズンでは多かった。したがって沖縄は第２クオーターにおいてツェンが出てきた時のマッチアップをどうするかが重要になってくる。

　ここでキーマンとなるのが、山城吉超だ。ディフェンス力に定評のある彼が、ツェンをマンツーマンで抑えることができれば、大阪の思惑通りに試合は運べず、流れは沖縄に向いてくるだろう。大阪のスコアラーvs.マクヘンリー、第２クオーターではツェンvs.山城など、西ファレンスファイナルでは、選手のマッチアップに注目してみてもらいたい。

　カンファレンスファイナルの勝者がシーズンタイトルをかけて、ファイナルを戦うことになるが、どのチームがファイナルにあがってくるかはまったく予測がつかない。しかしどのカードになってもｂｊリーグのブースターをワクワクさせること間違いない。

　浜松vs.大阪となれば、昨シーズンのファイナルと同カードとなり、連覇かリベンジかで盛り上がるだろう。また新潟vs.大阪となれば、ｂｊリーグ創立時の『オリジナル６』同士の戦いとなり、初年度のファイナルの再現となる。浜松vs.沖縄は震災の影響で中止となり、今シーズンは未対戦。新潟vs.沖縄では元沖縄の澤岻直人と元新潟の小菅直人、それぞれの古巣との対戦となる。

　東日本大震災により多くの困難を乗り越えて開催される２０１０−２０１１シーズンのファイナル４。さまざまなブースターの思いとともに、熱い戦いが繰り広げられるだろう。

「共に、乗り越えよう。東日本大震災　復興支援ゲーム　２０１０−２０１１シーズン　プレイオフ　ファイナル４」

■５月２１日（土）プレイオフ　ファイナル４　１日目
１２：１５　開場
１４：０５　第１試合：イースタン・カンファレンス　ファイナル
浜松・東三河フェニックス（１位）　ｖｓ．　新潟アルビレックスＢＢ（４位）
１８：０５　第２試合：ウェスタン・カンファレンス　ファイナル　
琉球ゴールデンキングス（１位）　ｖｓ．　大阪エヴェッサ（２位）

◆５月２２日（日）　プレイオフ　ファイナル４　２日目
１１：００　開場
１３：０５　第１試合：３位決定戦（１日目の敗者同士）
１７：０５　第２試合：ファイナル（１日目の勝者同士）

会場：東京・有明コロシアム